すっかり夏模様になったということで、【ウエストのおんな】も2回目の夏バージョン突入である。毎年異常に暑いと言いながら、今年の夏は更に異常な暑さだ。くれぐれも体調には気をつけたいお年頃の私は海近住子(うみちかすみこ)西彼のアラフィフパート主婦である。
5月の半ば、「金ば貯めに行く」と言って県外に金稼ぎに行った長男がこの前の連休に久々に帰って来た。
やはり仕事はキツイらしく、細身の体がますますホッソリしていた。おもむろにリビングに置いてあるTANITAのデジタル体重計に乗り
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「あ~~っ ヤバい!〇〇kg切ってしまっとる!」
と一言。
長男の帰省に合わせて帰って来ていた娘が
「マジ⁉ あたしの方が体重おもかやん!もう萎える~」
確かに最近の娘は・・・デカい。
それを横で見ていた次男が「ヒャヒャヒャ」と笑っていたが、彼も前職でムキムキのかっこいい細マッチョだったのに、職を変えて体を使わなくなると筋肉だった部分はプヨプヨに変化した。
細マッチョは『プヨマッチョ』へ変身。
なぜ『マッチョ』を据え置きにしたのかと言うと、頑張って鍛えていた頃の逆三角の上半身がなごりで残っているからである。Tシャツを着ると何気にカッコよいのだ。
Tシャツを脱ぐと、ポヨンとちょっとだらしないお腹が出て来るので偽りの逆三角形がバレてしまう。
『着痩せ』という言葉あるが、彼の場合は
『着マッチョ』
最近はそのポヨンが気になるので、毎日ウエストで買う彼のおやつを廃止した。
それに比べると、何から何まで細い長男は、Tシャツを着るとTシャツの中で体が泳いでしまう。
更に痩せてしまった今は、【Tシャツの中、体泳ぎまくり大会】が絶賛開催中で、体が泳ぎに泳ぎまくってダントツの1位である。
娘はというと、高校時代の部活で作り上げられた強靭な肉体が、今になって悩みのタネとなっている模様。
部活三昧の頃は、毎日体を極限まで動かしていたので大食いしてもエネルギーを消費できたが、そのまま現役の頃と同じように食べるとお察しのようにお年頃の娘には到底受け入れられない現実がカモーン。
しかも次男と違うところは、筋肉がポヨポヨにならない。
ふくらはぎ限定で筋肉がポヨポヨにならないのだ。
確かにお腹とか二の腕とかポヨポヨだが、ふくらはぎの筋肉だけはしぶとくご健在である。
ふくらはぎって細うならんちゃないと?
そう言う私のふくらはぎを見て娘がひとこと。
「お母さんのせいやん」
あら!ヤダ(笑)
そうそう、あれは私がうら若き中学校1年生の時、学校の1階廊下にあった大きな姿見に写った自分を通りすがりにチラリと見た。
そして、じっくり2度見した。
「あ??」
膝丈のスカートから『子持ちシシャモ』の様なふくらはぎが2本出ているではないか。
この時初めて自分の足が太いと認識した。確かに小学生までは細かったのに!これは夢か幻か!!
自分の全体像を気にしたことがなかったので、当時の愛読書『セブンティーン』に載っているティーンモデルと自分は同じ体形だと思っていたのだ。
身長165センチ、体重42キロ 手足はカモシカの様に細く長く!
しかーし!これは現実なのか?
スカートからデッカい『子持ちししゃも』が2尾出ている。今にも産卵しそうな膨れ具合だ。
それからの私は足が細くなるよう色々と努力をした。金もかけた。しかし『子持ちししゃも』はびくともしなかった。
これはもう『隠すに徹する』のが利口なんじゃね?と気づいたので、それからは丈の長いスカートやズボンをズルズル引きずって着ていた。
さて両親の一番いいところを選りすぐって受け継いだ娘。いつもなら旦那と責任のなすり合いをするところだが、『子持ちししゃも』に関しては疑いのしようがない。
ガッツリ私の遺伝子だ。
反論の余地なし。しかし彼氏だっていたし、結婚もできたし、『子持ちししゃも』ごときで人生棒に振ることは無いのだ。
しいて言えば10代、20代。ミニスカートとかショートパンツとか履いてみたかったということ。
若かりし私の『淡い夢』であった。
娘は今、あの時の私と同じように『淡い夢』を追っているのであろう。
でもね、娘よ
朗報である。
50歳も近くなってくると、産卵寸前だった『子持ちししゃも』もいつの間にか『子持ち』ではなくなる。
人生のどこかで産卵を終え
ただの『ししゃも』になるんだよ。
やっぱ年取ると、ろくに動かないし筋肉も退化するんだな。ちょっとだけ細くなるよ、足。
ん?
あ?
50になって細くなっても意味ねぇって?
『子持ちししゃも』が『ししゃも』になっても所詮同じだって?
あ、そう。 悪い話しじゃないと思ったんだけど。