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《ウエストのおんな~やんわりと春風~第12話》もみまきの季節です

こんにちは。5月も半ばを過ぎ、朝は寒い。昼は暑いであたしゃ毎日何を着ればいいんだい?の困惑状態。しかし職場は亜熱帯なので『脇汗』が非常に気になる私は海近住子(うみちかすみこ)西彼のアラフィフパート主婦である。

 

実は4月の末に旦那から

 

「5月のさぁ 12日にさぁ 昼から休み取ってくれん?」

 

と言われた。

 

ん?

「なになに?? なんかいいことあんのかしら?」

 

ワタクシ、すでに休みのシフトを組んでおりまして、もう休みは取れないところを無理矢理入れましたよ。半日休暇を。

 

「休み取ったけど、何すんの?」

 

ちょっとだけ期待をして、乙女のように心を躍らせた勢いで旦那に聞いてみた。

 

何も無ないとは思いながらも、なんとなくちょっとだけ期待してしまうものですやん。

 

「どこかお出かけするのかしら~? お食事でもに行くのかしら~?」

そしてそして乙女の心が、キレッキレのダンスを踊ってる中、旦那が一言

 

「あー、もみまき」

 

と言い放った。

 

・・・あ~ もみまきですか。あ~ なるほどなるほど。

(もみまきとは・・・ようするにお米の種まきですな)

我が家では家族が食べる分のお米を作っている。今年もそろそろそんな季節がやってきたという訳だ。

 

あぁ乙女の心のキレッキレダンスが・・・・。

 

ごめんごめん。早とちりした私が悪かった。ちょっとでも期待した私が悪かった。ついつい乙女の心がちらついて踊ってしまった私がバカだった。

自分で自分をなだめるのは非常に大変である。

 

とりあえず『もみまき』って私に何かできることあんの?と少々不機嫌になりながら、もう一人招集された次男と二人、庭に出てみる。

 

やったこともない素人二人が炎天下に、たたずむ。

 

そこへ作業着姿の旦那と義母がやって来た。

 

ご両人は毎年のことなのでホイホイと用意やらを始めるのだが、経験のない『でくのぼう』二人は何をすればいいのかわからず、たたずむ。

 

そんな『でくのぼう』二人に『クイックイッ』とあごで指示らしきものを出す旦那だが私と次男は

 

「そこさ、声に出してよ(笑)」とか

 

「何?姿を見て自分で察しろってタイプ?(笑)」とか

 

自分の旦那や父親だからと言って、少々扱いが雑じゃないか?と思ったり思わなかったり。

 

きっと自分が勤める会社でこんな部下がいたら絶対『グーでパンチ』してると思う。しかしやはり海近家のヒエラルキー底辺は旦那なのだなぁと旦那のことながら目頭に熱いものを感じてしまった。

 

さて、あーだこーだと指図されながら『でくのぼう』二人のうち次男はお利口に作業の手伝いを始めたので、私はお利口な次男の写メ撮りにハマってみた。

 

お利口な次男はこんなことしたり

こんなことしたり。

ちゃんと働いておる。

 

私はもちろんお利口な次男を写メに収めるのが忙しくて、『もみまき』要員にはなれそうにない。

 

でも考えてごらんなさい。

 

去年の田植え、稲刈り。私は出来る嫁を演じるつもりが、どうも戦力外だったらしく、見学を要求された。なのでレースクイーンばりに日傘をさして手伝いに来てくれたみなさんの働きにエールを送ったという記憶がある。

 

ははははははは

 

結局のところ、私はいてもいなくてもどっちでも構わんということが判明。

 

『もみまき』要員改め、『ギャラリー』要員?

 

そんなこんなで今日の『もみまき』はお利口な次男と旦那で無事に終了したようだ。

 

おかげで私のスマホには次男の新しい写メが保存され、ウハウハである。

ただ思いのほか、ほどほどの炎天下で女優帽をかぶっていたにもかかわらず、どうも顔面がヒリヒリする。

 

あんなにタップリ日焼け止めを塗って完全防備だと思っていたのに、こんなにヒリヒリするなんてえらいレベルの紫外線が私の顔に侵略して来た証拠である。

 

早くこの顔面を襲って来た紫外線のシミシミ攻撃をなんとかしなければ!

 

しかーし!夕飯の買い物にも行かなくてはいけないし。今からウエストに行って買い物して夕飯作ってとかもう「どんだけ~」

 

こんな時は『シミシミ攻撃阻止』か『夕飯作り』を天秤にかけてみるのだ。

するとおのずと答えは出るのである。

 

「はい!今日の夕飯はウエストの惣菜です!」

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