前回はなぜ陶芸家になったのか?なぜ西彼に窯を持つことになったのか?をお二人にインタビューさせていただきました。
今回は作品について、そして亜紀さんの子育てと仕事の両立についてや、これからの目標などをお聞きしていきたいと思います。
ここは昭和初期を思わせるレトロ感たっぷりのギャラリー。
そんな和やかな空気の中で、ゆっくりとインタビュー開始です。
Contents
作風が変わったように思うのですが?
私が『あんあん堂』さんと出会った頃の作品と今の作品は、作風が変わったように思えるのですが?
はい、窯を開いてから17年の間に作風は変わりました。
初めはリアルな人形しか作れなかったんですよ(笑)
そうです。私が知っているのはその人形なんです。とても印象的なお人形だったので。今の作品はどちらかというと、とても可愛らしいですよね。
今は絵付けがメインなんです。人形は作るのにすごく時間がかかるので、そこに別の注文が入ると、上手く切り替えが出来ずにイライラしたり。
子どもができてからは、ごはんも作らなきゃいけない、子どもの世話もしないといけない。人形作りにハマってしまうとどうしてもそれがおろそかになってしまう。
仕事もしなきゃ、でも子育てもちゃんとやりたい。そのジレンマにイライラして泣きながら仕事をしていた時期もありました。
当時は「仕事ができない!!」と本当に悩みましたね。
お母さんとして辛い時期があったんですね。亜紀さんはその時期をどのように乗り越えたのでしょうか?
「私ってダメだな~」って思ってたんですよね。
それから段々と子どものききわけがよくなってきたある時に、『はっ!』っと気づいたんです。
「私、そこまで頑張らなくていいや」って。
やっぱり家族がメインなんだって改めて気づけたんですよね。仕事は好きだけどハマると家の事がおろそかになる。まだまだおろそかになるのはもうちょっと後でもいいかなって。
今は子育てを一番に楽しみたいんです。
亜紀さんの中でどちらを優先すべきかがハッキリとしたんですね。
はい、そのとき自分の中で決めたことがあって、何がどんなに忙しくてもごはんだけはキッチリ作ろう!それは必ず守るようにって。
その時間は仕事のことは考えないように、イライラもしないように(笑)
そう思うようにしたらすごくいい感じで今も家の中が回ってます。だから楽しいですよ。
お子さんがができて生活リズムが変わったことが、亜紀さんを悩ませることにもなったけど、一番大切なことも気づかせてくれたんですね。
はい、だから子どもがいてもできる仕事を考えたんです。
そして「絵付けならできる!」って。
人形を絵付け中心のものに変えたんですよ。リアルな人形は作るのに集中力がいるし、そうなると家のことができなくなっちゃうので。
健志さんが形を作ったものに絵付けするスタイルは定番としてあって、プラス、人形のスタイルを今までと変えることで自分に無理のない作品づくりができるようになりました。結果的にお客さんが手に取りやすく、値段的にも買いやすい設定もできるようになったんです。
悩みをプラスに変える事ができた。良い方向へシフトチェンジができたんですね。
【ものづくり】の楽しさやこれからの目標を聞かせてください。
絵付けの絵が日々描けるようになるのは楽しいです。描けば描くほど上達するところが楽しいしうれしい。
だから前はお客さんのオーダーに応える技術が無くて悔しい思いもしましたが、今は100%じゃないけど、少しづつ応えられるようになったんです。
できた!という充実感がとてもうれしいんですよ。
目標ですか? 私【土鍋】を作りたいんです!
細かい絵柄の入った土鍋って見たことないでしょう?そういうのをすごく作りたいんです!
でもそのためには【土鍋】用に窯も土も焼く温度も焼き方も作り方すべて変えなくちゃいけないんですよ。だから子ども達から手が離れたらいつか挑戦したいなと思ってるんです。
あと・・・ 賞をとりたいです(笑)やきものの賞をとって、お母さんもやればできるんだって、子ども達に自慢したいんですけどね。
『あんあん堂』の土鍋、すごく興味あります。『あんあん堂』ならではの作品ができそうですね。
やきものの賞も。ぜひとってもらいたい!
健志さんはどうですか?これからの目標って何でしょう?
ん~・・・無いですね~(笑)
自分には、そんな大それた野望なんて無いですよ(笑)
え!
なんだか亜紀さんとは正反対ですね。
自分らでゼロからカタチ作って、やきもの作って。
それが売れてるっていうことが奇跡みたいなもので、ありがたいと思うから飽きられないようにそれが続けられればいいかなぁって感じですかね。
ん~。前に比べて表現したいこととかが無くなってきた感じなんですよ。
作るものっていうのは、これから自然と変わっていくだろうから、使ってくれる人の要望に応えていけたらいいと思うし、【売れる】ということは【必要】としてもらっていることだと思うから、これからも【必要】とされるものを作りたい。それが目標みたいなものですかね。
インタビュー終了です。ありがとうございました。
17年前、知らない土地、何もないところからのスタートは、やはり不安もあったと思いますが、今回お互いの目標をお聞きした時、「とにかくまずはケンカしないことよね」と明るくケタケタ笑いながら話す亜紀さんと、それをフフンと受け流しながら相手をする健志さんがとても印象的で、二人で作り上げてきた『あんあん堂』そして『きずな』を感じました。
まだまだこれからも目の離せない西彼町のアーティスト『あんあん堂』の安藤健志さん亜紀さん、色んなお話しをありがとうございました。
ずっとずっと応援したいお二人でした。
あんあん堂で実際に作品が見れます。
※事前にお電話にて確認を取ってください。イベント前になると出品のためギャラリー内の作品が無い場合があります。
【あんあん堂TEL&FAX】 0959-28-1974
【face book】もやってます。
あんあん堂の作品はここでお買い求めできます。
〇長崎県西彼杵郡長与町まなび野 「陶千房」
〇大阪市谷町6丁目「oriori」
2018年 イベント出店予定
〇3月21日~25日 福岡市マリンメッセ「全国陶磁器フェアin福岡2018」
〇4月29日~5月5日 有田陶器市
〇5月下旬 宮崎県三股市「つくりびとのカタチ」
〇8月7日~10日 京都五条坂陶器祭り
〇9月上旬 愛知県瀬戸市「せともの祭り」
〇9月下旬 西海市さいかいプレイスマーケット