こんにちは、ばりぐっど編集部です。
先日、地域医療について意見交換やアイデアを共有する集いが実施されるとのことで、取材させていただきました!
みなさんは「地域医療」と聞いて何が思い浮かびますか?
地域医療とは、地域社会において必要な医療や健康サービスを提供することを指します。
高齢化が進み、医療ニーズが多様化する西海市において地域医療は極めて重要な役割を果たしています。地域の特性や課題に合わせた柔軟な対応と、地域の人々にとって身近で利便性の高い医療・ケアの提供が目指されています。
そんな地域医療の力を最大限に引き出すため、西海市で多職種による交流会が開催されたのです!会場は、今年の4月にオープンしたばかりの、訪問看護ステーション『ウェルビー』。
医師、看護師、保健師、ケアマネージャー、介護士、理学療法士、栄養士、薬剤師、メディカルショーシャルワーカーなど、地域の医療や福祉を支えるプロフェッショナルたちが、なんと40名近く集まりました!
まずは、参加者がグループになって自己紹介。どのグループも会話が弾んで、会場が温まります。
そして、『地域医療が本当に必要としている“人”』と題して、大島ながたクリニックの永田先生によるお話。
永田先生は2022年6月に故郷である西海市に開業。経歴や地域への思い、そして開業後に出会った患者さんの具体的な事例を通して、地域医療の実情を教えてくれました。医学的な難しい話ではなく、誰にでも起こり得る看病や介護の延長上にある治療場面をもとに、専門家ではなくても理解しやすい内容でした。
その内容からディスカッションテーマを参加者に投げかけ、グループワークを実施。
参加者それぞれの職種や現場の立場から、さまざまな意見を交わし、互いの考えを尊重しながらアイデアを共有し、理解を深めていましたよ。
顔が見える、声が届く、思いが伝わる交流会。地域医療の未来を見据えた、情熱的な議論が交わされました。
ここからは、この交流会の発起人4名と、それぞれが抱く地域医療への思いをご紹介します。
1人目は、今回講師をされた医師の永田先生です。整形外科医であり、プライマリケア医、地域のかかりつけ医としてご活躍されています。
「この交流会に至った経緯は、地域医療の情報を発信し共有できる場を作りたいと思ったからです」と動機を語る永田先生。そこで地域医療は1人ではできないと考え、医療に従事する仲間に声をかけたのが、後にご紹介する3人です。
「医療従事者だけでなく、地域住民や他の職種、患者さんなど、さまざまな人が参加できます。」
「勉強会ではなく、医療に向き合い、思いを共有し、課題を考え発信する場です。私たちの目標は、地域医療の問題に取り組み、支え合える社会を作ること。地域医療を大切にし、共に取り組む仲間を増やしていきたいと考えています。」と明確な目標へのまっすぐな思いを語りました。
2人目は、今回の会場である訪問看護ステーション『ウェルビー』の開業者であり、本交流会の司会を務めていた看護師の伊藤さん。
救命病棟の看護師を経て、大学院で医学的な知識を学び、nurse practitioner(診療看護師:米国等における、医師の指示を受けずに一定レベルの診断や治療などを行うことができる看護の資格)を取得。資源の限られた離島で働いた後、西海の医療・ケアの現状を知り、自分にできることがあると感じ、開業。
「開業すると共に課題が現実的になりました。個々では限界でも、周りも向かう方向は同じで。ただ、思いを共有し、言語化する場があまりなくて。地域医療はグループだけでは動けないため、法人やグループの垣根を超えて、『チーム西海』としてビジョンを持つために集まり、話し合うことが重要と考えています。」と優しくも力強い言葉と笑顔が印象的でした。
3人目は、さいかい薬局の薬剤師である長尾さん。
病院、薬局などでの勤務を経験し、今に至ります。長尾さんのお父様が大島薬局をしていたことがきっかけで西海市に。薬剤師として地域にできることはないかと考え、自ら役所に地域住民のサロンでの薬の講話が出来ないか提案したり、高齢者向けの体操での講話したり、健康寿命延伸に寄与されています。
「熱意ある仲間と出会い、これからの目標や夢を話すのが楽しいです。交流会を継続開催し、都会では出来ない田舎ならではのコミュニティを作りたいです。また、今後は西海市活性化の起爆剤がないか、西海市ならではの魅力を作りたいです。」と今後の展開についてもふれました。
4人目が、八木原薬局の薬剤師である石山さん。
以前は病院勤務で、呼吸器内科病棟や緩和ケアチームの薬剤師だった石山さん。そこで、薬物療法に問題を抱えている患者さんの多さに直面。より患者さんの生活に近い場所から薬剤師として関わりたい、助けを必要とする人の支えになりたいとの思いのもと、現薬局へ転職。
「薬剤師だけでは患者さんの在宅療養を支えることはできません。地域の様々な医療者との顔の見える関係をつくることで、地域全体の支える力を強くできると考えます。この交流会は、その顔のつながりのきっかけを作る場になるものと思います。」と、つながりの大切さを教えてくれました。
地域医療の重要性は、健康な地域づくりや住民の生活の質の向上に直結しています。西海市における地域医療の充実は不可欠であり、地域の連携と協力によって実現されるものと言えます。
熱い思いをもった主催者、そして参加者が意見を交わし合うことで描かれる地域医療の未来図、そこから拡がる新たな可能性に期待が高まります!
【今後の交流会開催情報】