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『be together 』坂口倫太朗さんと大崎中学校の生徒たち

『あの日、あの時…』そんなドラマの伏線を回収して行く様な出会いから、約7年の月日を経て、芸術を通じステキな交流がありました。その様子をベーヤンがお届け致します。

ある作品との出会い

大崎高校の吉原利華先生が、その作品に出会ったのは、平成30年の『長崎県高等学校総合文化祭美術部門』で審査員のひとりとしてでした。それから令和4年、西海市文化展で再びその作品を見ることになるのです。

その作品とは、この坂口倫太朗さんの「ずっとzoo」と言う作品で、この時『優秀賞』を受賞しました。

その西海市文化展が終わり、作品を搬出する日にお母様の信子さんも作品を取りにいらっしゃいました。その時、「この作品!」を描かれた坂口倫太朗さんのお母様に会ったのです。「この絵を今でも覚えていてくれた」と信子さんも感激し、おふたりが知り合いになりました。そう言う出会いと再会があり、吉原先生の呼びかけで生徒たちと倫太朗さんの交流が実現したのです。

再会からの新たな出会い

大崎中学校美術部5名と大崎高等学校JRC(青少年赤十字)部2名の生徒のみなさんと、坂口倫太朗さんの交流です。

始めは自己紹介。自分の名前と好きな動物を発表しました。そのあとは倫太朗さんの紹介動画を見て、実際に目の前で描くところも見せてもらいました。

迷いもなく一筆書きのように生み出される倫太朗さんの動物。線を引き直したり、消しゴムで消したりせずに、小さな顔から体に向かって力強い線が伸びるのです。学生たちは先ずそこに驚きました。「自分なら何度もなぞってしまうけど、一気に描いててすごいです」と。

倫太朗さんは幼い時から、親が与えたい絵本より、動物の図鑑を欲しがったそう。本屋に行くたび動物図鑑にまっしぐら!先にカウンターに並ぶくらい楽しみにしていたと信子さんが懐かしい思い出を語ってくれました。

その時の記憶があるから、今こうして動物たちを一気に描き分ける力があるのだそうです。倫太朗さんのスケッチブックには、動物に混じってイカやタコや魚も描かれていますが、それは….「子ども」の描くイカやタコなのです。信子さん曰く、観察していない絵は本当に子どものまんまなんだそうです。

「be together 」への想い

150×200cmの白いキャンパスには『be together 』の文字。生徒みんなで考え準備したテーマです。地球の歴史は人間と動物が共存して続いてきたし、これからもそう続いて行く。それぞれ違う生き物は一緒に生きていく事を表したワード。まさに今日この日にピッタリのテーマです。

さて、いよいよ制作です。みんな少し遠慮しながら端の方から描き始めました。


みんなが描き始めた中、資料として配られた写真集に夢中になり、絵を描かずに見入ってしまった倫太朗さん。本当に動物が大好きなんですね。

椅子に座ってしか描いたことがなかった倫太朗さん。心配し、見守る信子さんでしたが、時折動物の名前を言ったり、歌を口ずさんだりしながらみなさんと楽しそうに次々と描いていきます。倫太朗さんにとっても初めての体制は、今までの決まったスペースより広々と思い切り描けたのかもしれません。

美術部のみなさんも好きな動物を描きます。下書きなしでいきなり大きく描くのは難しいのでは…と思いますが、そこは美術部、それぞれ個性のある動物たちがあちこちに描かれはじめます。

可愛いシマエナガ、迫力ある猛獣、森の賢者のフクロウ…大きな動物小さな動物、緑色や茶色や紫色で描かれたいろんな絵が重なり、世界に一枚の作品ができています。

1時間ほどたち色付けに入ってから、個性のある動物が更に生き生きしてきたように見えます。

先生が始め「みんないつもよりおとなしい」とおっしゃっていましたが、この頃には、おしゃべりしあい、楽しいと言う声も聞こえる程になり。倫太朗さんの歌に笑ったり、みんなで一緒の作業をしていくうち距離も縮まり、この絵のようにまとまっていました。

先生も、全体を見渡しアドバイスをしながら最後に向けて完成させて行きます。

生徒たちは倫太朗さんを、「芸術家」「個性」「唯一無二」そんな風に受け入れ、いろんな初めてを経験しています。信子さんは何度も学生たちに「嬉しい、ありがとうね」を繰り返していました。信子さんにとっても、こうして楽しそうにみんなと一緒に絵を描く倫太朗さんを見て思わず出た言葉だったのだと思います。

倫太朗さんと作品の魅力

倫太朗さん以外はもう絵を仕上げ、終わりの時間も気にしながら片付けに入ります。

倫太朗さんはというと…「終わり〜」と言ってはみんなから拍手をもらっては、また色塗りを続けるという事を繰り返します。特に『目』これを何回も口にしながら絵の具を絞り出しました。
先生が「ここ!これが大事なの」と、見て欲しかった「こだわり」を生徒たちに伝えます。

作品の終わりは自分で納得して決める。時間や制限など関係なく作品を仕上げる芸術家の姿。実際倫太朗さんの表情は周りの声も雑音も聞こえてないかの様に、ただただ色を塗っていきます。赤のライオンがウサギの絵を呑み込むかの様に塗られた瞬間が印象的でした。

倫太朗さんは、自分から講演で話したり、指導したりして教える事はできません。ただただいつものように絵を描く事で、見ているまわりが感動し、それぞれ『何か』を感じるのです。


生徒たちが倫太朗さんの姿から受け取った「個性」「描き方」「自由」「こだわり」はきっと先生の想いと共に残ることでしょう。
そして描かれた個性あるたくさんの動物たち
この日、この時間、このメンバーだけが描けた作品『be together』が完成です!

絵が仕上がっての感想は

「描き始めからこうしてみんなの絵を見る事がなかったのでよかった」

「始めは何でもない一枚の白い布が倫太朗さんと一緒にみんなの動物でいっぱいになって素晴らしい」

「この動物はこうでないとと思っていたけれど、倫太朗さんが芸術的に描く様子を一からみれてよかった」

吉原先生は「子どもたちが始めから協力的で、ここまで考え準備し今日を迎えた事をとても嬉しく思います」と。

倫太朗さんも大きな声で「楽しかった!また来たい!」と。

最後にマスクを外すして水分補給をする先生に生徒たちが
「先生の顔初めて見た!」と、みんなで笑い合い素晴らしい交流が終わりました。

コロナ禍でなかなか出来なかったいろいろな行事。学校関係者以外が訪問できる取り組みや、ばりぐっどの取材にも応じてくださった大崎中学校美術部のみなさん、大崎高等学校JRCのおふたり、そして吉原先生、坂口倫太朗さん、信子さんに感謝します。

最後にサイコーの笑顔で記念の「be together 」

先生が審査に携わった倫太朗さんの作品、文化祭での再会、次は今日のこの作品がどこかで展示され、多くの方に実際に見ていただけることを期待しています。以上ベーヤンでした。

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