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みかん農家の夏の風物詩『マルチ張り』に行ってきました

皆さんこんにちは、ばりぐっど編集部です。

朝晩はずいぶんと過ごしやすくなってきましたね。それでも日中はとてつもない暑さが続いています。屋外で活動する際は、まだまだ熱中症対策を怠らないようにしましょう。

そんな暑さの中、西海市の代表的な特産品である「みかん」のマルチ張りが行われるということで、西海町でみかん農家を営む中里さんの農園へお邪魔して、作業を見学させてもらいました。

「夏の風物詩だよ」中里産はそう言って笑っていましたが、それは想像以上に大変な作業でした。

そもそも「みかんのマルチ張りって何?」「何のためにするの?」という方も多いと多いと思いますので、それについても紹介していきます。

西海市産みかんについて

まずは西海市産のみかんについて少しお話しをしたいと思います。

ご存知の方も多いと思いかもしれませんが、長崎県は国内有数のみかんの産地で、その中でも西海市産のみかんは全国的にも非常に高く評価されています。特に評価されているのは、やはりその「美味しさ」です。甘味と酸味のバランスが良く非常にコクがあり、後を引く美味しさで、ふるさと納税の返礼品やお歳暮としても大人気となっています。

では、なぜ西海市で美味しいみかんが出来るのでしょうか?
西海市のみかんがこんなに美味しい理由はいくつかあります。

・一年を通して気候が温暖で、日照時間も長い
・潮風によってミネラルやカルシウムが運ばれる
・みかん栽培に適した土壌がひろがっている
・マルチ栽培を徹底している

気候や風土による部分も多分にありますが、マルチ栽培の徹底による影響も非常に大きいと言われています。

マルチ栽培って何?何のために?

そもそも『マルチ栽培』とは何でしょうか?
みかん栽培における『マルチ栽培』とは、みかんの園地全体に専用のマルチシート(白色の透湿防水シート)を広げ、みかんの木への水分の供給を調整し、さらに白色のマルチシートが日光を反射し全体に光を行き渡らせる栽培方法の事です。
余分な水分を与えないことでみかんの糖度が上がり、全体に光を当てることで光合成を促進させ、色付きも均一にする狙いがあります。

これだけの効果が見込めるマルチ栽培なので、マルチ有りと無しではJA出荷の際のブランドが変わってきます。もちろん価格も。そのため、毎年全ての樹園地でマルチ張りがしっかりと行われているかのチェックもあるそうです。

いよいよ作業開始

そしてマルチ張り作業ですが、この日は何とJAの職員さん達がお手伝いに来てくれる日でした。真夏の過酷な作業ということで、少しでも生産者さん達の力になれればと、毎年要望があった生産者さんの所へ職員さんを無償で派遣しているそうです。これは生産者の皆さんも大助かりですね。

中里さんの農園ではマルチ張りの作業を楽にできる様に、パイプを通して手作りのハンドルで上げ下げする方式を採用していました。


50メートルを超えるシートを一気に上げ下げできますが、細かな調整は人の手で行います。
炎天下での作業なので、開始5分で皆さん汗だくです。この日は合計8人がかりだったので、2時間ほどで作業終了となりました。
家族だけでやると半日以上はかかるそうなので、この日の助っ人達のありがたみがわかりますね。
手伝いを終えたJA職員さん達は、次の現場へと颯爽と向かっていきました。

まとめ

というわけで、マルチ張りの作業は無事に終了しました。

こちらの農園では様々な工夫によって随分作業が楽になっているそうです。通常のやり方だと、シートを広げて重石を乗せるという作業を、みかんの木の下に潜りこんでやるそうです。この炎天下に。なんとも過酷な夏の風物詩です。

しかし、私たち消費者が知らない生産者さん達のこういった苦労の末に、全国的に評価され、ファンが多い、西海市を代表する特産品である「みかん」が出来あがるんですね。

皆さん、毎年冬になると当たり前のようにこたつでおいしいみかんを食べていますよね。今年も日本の冬の風物詩を楽しみましょう。

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