世界で活躍する現代美術家・岡本泰彰氏をインタビュー!

ニューヨークを拠点に活動を続ける現代美術家の岡本泰彰氏は、昨年末から故郷である西彼町で制作活動をしている。 【プロフィール】 岡本泰彰(おかもと・やすあき) 西海市西彼町出身39歳。2001年に渡英、スペイン、カナダ、ア …

ニューヨークを拠点に活動を続ける現代美術家の岡本泰彰氏は、昨年末から故郷である西彼町で制作活動をしている。

【プロフィール】

岡本泰彰(おかもと・やすあき)

西海市西彼町出身39歳。2001年に渡英、スペイン、カナダ、アメリカへ移住し制作活動。ニューヨークで2010年から2014年まで芸術家Po Kim(ポー・キム)氏のアシスタントを務め、さまざまな画法を学んだ。海外で活動に関する奨学金獲得や現代美術展で数々の賞を受賞し、個展も開催している。

 

 

絵を描き始めたきっかけ

2001年20歳のとき、美容師の免許を取得後に美容の勉強をするために渡英。憧れていたロンドンでスクールに入る予定だったが、アメリカの同時多発テロ事件の影響で全てキャンセルに。帰国せずにその頃から絵を描き始めた。

 

滞在中は美術館や博物館、本屋へ通い、多くの芸術に触れながら過ごし、フランシス・ベーコンの作品に衝撃を受け本格的にアートへの道を歩み始めた。

 

世界各地を拠点に活動

これまで拠点にしていたのは、イギリス、日本、スペイン、カナダ、アメリカ。短期滞在で訪れた国はもっとあった。ニューヨークでは10年過ごし、その間にスペイン(グラナダ)、ドイツ(ベルリン)に移動。昨年西海市へ戻った。

 

スペインではスペイン語の習得と、ダリ、ミロやガウディなど好きな芸術家の作品を観て感じるため拠点を置いた。そして独学でやっていた絵のキャリアを積むために現代アートのマーケットがあるニューヨークへ。ヨーロッパの現代アートの中心であるベルリンも雰囲気を感じるため実際に住んでみた。

 

「ビザを持っていて最低限の資金だけあればとりあえず行きますよね(笑)」

 

 

現代美術家として活動する今の自分をイメージできていたか?

「自分が子供のときに抱いていた、こういう大人ってかっこいいなという思いだけを追求して向かっている感じです。まだそこには追いついていないけど、自分の想像の方には進んでいると思います」

 

20歳のころ、10年後の目標リストを作った岡本氏。最終的には、自分の美術館もしくはギャラリーを作る、3カ国語以上話せるようにする、世界で活躍する、という目標を立てた。

 

リスト作成から20年後、残るは美術館かギャラリーを作ること。終の住処になりそうな場所を、拠点を変えながら考えているがまだ決められない。地元も頭の片隅には入れているが現状は難しい。

 

描くこと=生きること

「みんなが思っているよりも、自分は絵でいっぱいになっていて、それが当たり前になっているんですよ。だから描くことぐらいしかないですね」

 

朝起きて、顔を洗って、食事をする以外はすべて絵の制作に当てる。それが日々の生活スタイルだ。

 

「描くことが生きている理由になっちゃっていると思います。今のところこれしかないし、変わるかもしれないですけど変わる気配もないですね」

 

 

 

哲学的な側面

「作品のタイトルを考えるとき哲学的な内容を入れたりします。もしくは、その哲学者からヒントを得てタイトルにすることもありますね」

 

岡本氏は20歳代前半ごろ「真実というものは存在しない。存在するのは解釈だけである」というニーチェの言葉に出会う。

 

「人の解釈を勝手に真実だと思い込んで、それが真実になっているんですよね。この言葉で自分の中のいろんな問題がある程度解決してきたし、悩み事の大半は人間関係と時間で解決できるというのがあって。そういう人がいたらすっと切っちゃえばいいし、そうすると悩みというのはほぼ消える感じですね」

 

 

「自分で決めて自分で判断する。人が何を言おうと本当に気にならないし、人からこうした方がいいよと言われても、自分が納得しないと動かない。そういうのは自分の中で確立していると思います」

 

 

 

作品を描くとき

アクリルや油絵、メタリックパウダーなど、思い浮かべた世界をいろいろな技法で描いている。

 

幻想的な色使い。背景に溶け込むように緻密に描かれている動植物たちが美しい。不思議な世界から今にも虎がこちらへ出てきそうな動きを感じられた。

 

「全部の作品がそうではないですけど、伝えたいことが伝わるように、見る人のことを意識しながら作ります」

 

描き始めたころはまだ技術がなく「これが何の動物ですよ」と、見る人がわかる最低限のレベルを身につけようと努力した。

 

「人が好きではなかったので、動植物に演じさせて作品にしています」

 

 

 

 

美術への恩返し

美術で生きてきた。自分一人でやってきたという自負もあるが、実際はそうではなく、いろいろ助けてもらい、絵を買ってくれる人たちもいたからこそ。年齢を重ねるにつれて美術に対する恩返しをと考える。

 

「美術に対しての恩返しはしていきたいと思っています。まだ自分のことでいっぱいですけど、子供たちへの何かはやりたいですね。美術関係の、何でもいいです」

 

 

海外で実際にその土地を拠点にして環境と文化に身を置くことで、自身にリアルな空気を取り込み、作品づくりのエネルギーに変換している岡本氏。

 

今回のインタビューを通し、人生を仕事や趣味、家庭などとカテゴライズせず「描くこと=生きること」とシンプルかつ明確な在り方は、必要でないものは削ぎ落とし、自分自身に意識を向け集中する姿勢をもはや無意識レベルで保っているからこそ。

 

個人的な感想になるが、岡本氏の作品には「答えはすべて自分の中にある」という色彩が使われているような気がした。

 

先日、岡本氏の作品が西海市文化協会が発行する機関誌 ”つんなむ第9号” の表紙に選ばれた。

 

今後の活動予定

 

2020.4.29〜5.6:「光のART展」(三重県伊賀市)

2020.7.1〜7.15:個展(長崎ブリックホール)

2020.9.28〜10.4:NYで活動している人たちだけの4人展(京都)

2021.2.23〜3.21:個展(長崎ピースミュージアム)

 

HP: http://www.yasuaki.info/

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