ウエストのおんな《カタツムリのお散歩は鼻歌うたってどこまでも 第2話》~添乗員と金魚のフンの東京旅 その2~

さて、前回の話の続きをしよう。   私達はせっかく長男に会いに上京したのに・・・。その長男に『面会拒否』を言い渡され、頭を抱えたアラフィフ夫婦である。 が、予定が大幅に狂ったものの『添乗員旦那さん』が私が行って …

さて、前回の話の続きをしよう。

 

私達はせっかく長男に会いに上京したのに・・・。その長男に『面会拒否』を言い渡され、頭を抱えたアラフィフ夫婦である。

が、予定が大幅に狂ったものの『添乗員旦那さん』が私が行ってみたいというあちらやこちらに引率してくれて観光らしき事ができた。もちろん私はユラリユラリと旦那の後を

 

金魚のフンのように付いて行くだけ。

 

歩く歩く歩くそして電車に乗ってからの~やっぱり歩く! ほぼほぼ1日歩きちらかしたアラフィフ夫婦はその夜、足と腰をさすりながら寝たという・・・。

 

次の日は目が覚めるまで寝た!というくらいのお疲れ加減だった。しかし面会拒否された長男が「今日は会ってもよい」という許可を出してくれたらしいので足を引きずってっでも行かねば。

 

さぁ!面会に出発だ!

その前に朝食をいただかねばならん! 海近家のアラフィフ夫婦はいつもどこかに行くときは経費削減で高級ホテルや旅館には泊まらず、安価なビジネスホテルに素泊まりと決まっている。

 

なので夕食も翌日の朝食もホテルでは食べずに外で食べることが多い。

 

私は手っ取り早さと更なる経費削減で「マックでも全然よかとけど~」と旦那に言ってみる。

 

「え~ 東京に来たとにマック~??」

 

旦那の心の声がポロリンコ。こらこらマックに失礼だぞ!

 

実は前日に歩き倒したおかげで、かなり体力を消耗。レストランなどに行ってごはんを食べるという気力が無く、ホテル近くのコンビニで食料を調達し、部屋で食べたというなんとも味気ない夕食をいただいた経緯がある。

旦那的には、もうちょっと質の良いお食事をしたい! まして東京に来てるんだからという、欲がチラリチラリとチラリズム。

 

しかし、ホテルを出発してすでに『金魚のフン』は「あ~どっかに座りた~い」と 『どこでもいいから座りたい病』を発症。早く座りたい座りたい。

 

『座りたい』の念を送り続けると、旦那が何かを感じたらしく「ま、まぁ、軽く食べればよかけん、マックでよか」と言ってくれた。

 

フッフッフ 私の執念勝ち。

 

それからマックに入り注文。そこで事件が起きた!!!

 

私はいつもマックに行けばほぼ注文は『チキチーとホットコーヒーのS』と決まっている。それ以上は上品なおなかがビックリしてしまうから。

 

しかしその日はいつもと違った。

 

大都会『東京』に魔法を掛けられた!

「チキチーのバリューセットください!!」

 

『東京』につい舞い上がって頼んだこともない『セット』なるものを注文してしまった!!

 

人生の中でSサイズしか頼んだことがないもんだから、セットのMサイズコーヒーのデカさにビビる!

 

『東京マジック』恐るべし!!

 

Mサイズの威力に、ちょっとだけ食べるつもりが「この後もう今日は食べなくてもいい感じ」になってしまった。

 

やはり『東京』は怖いところだ・・・。

 

はっ! マックの話で盛り上がってしまった!違う!長男との感動の対面の話を書くつもりだったのに!!

 

予想外に膨れたおなかを揺らしながら、ころのいい時間までプラプラしながら、最後の最後まで、私の中では長男が面会してくれるかどうかの不安が渦巻いた。

 

相手は海近家の長男。一筋縄ではいかない。

長男のアパートまでまた徒歩と電車の旅。膨れたおなかを少しでも引っ込めようと、歩く歩く。

 

都心から離れた所とはいえ、田舎から比べると駅もキレイで大きい。おシャンティなお店も軒を並べ、かと思えば昔ながらの商店街っぽいエリアもあった。

 

「徒歩圏内に何でもあるんだな・・・」 すっかり『コンビニは車で15分』の田舎基準で世の中を見てしまう私はなんだか安心した。

 

『添乗員旦那さん』の後ろをユラリユラリと付いて行きながら、長男の住む町を眺めてみる。

 

『ピンポ~ン』呼び鈴を鳴らすと、少し間があってからドアが『カチャリ』と開いた。

 

ガサ入れに来た警察のように、ちょっと開いたドアの隙間に足を挟み、すぐにドアを閉めようとする長男を阻止。(笑)

 

部屋の中は見なくてもわかる。案の定の乱れ具合だ(汗) 私はそれを

 

『神の領域』と呼ぶ。

もちろん『神の領域』に足を踏み入れることなど恐れ多くてできないので、旦那が長男にエサを投げた。

 

「小遣いの欲しかなら出てこい!」

 

卑怯~(笑) でも一番効果的~(笑) 数分後スゴスゴとエサに釣られた長男が出て来た。

 

母:「久しぶり。ご飯ちゃんと食べよる?」

 

長:「う~ん まぁわざわざ2人で来らしたとですか?」

 

母:「とりあえずどんなところに住んどるか確認したかったけんね~」

 

父:「メシば食べに行こうで」

 

母:「はぁ!!!!!」

 

私まだおなかの中でマックのセットが乱舞してます~

 

でも、きっとまともに食事なんてしてないだろう長男に、少し贅沢をさせてあげようという父心。素晴らしい!いいでしょう!食べに行きましょう!

 

「おい 腹へっとらん」

がーーん・・・。

 

いやでもせっかく来たし、母だっておなかの中はマックのセットが乱舞中よ!

 

とりあえず駅近くにあるお店に入り、3人で久々に話ができた。ほんの数十分程度の面会時間。

 

それでも長男の元気な姿を見れて私も満足できた。長男もしっかりと『エサ』をゲットして『神の領域』に戻って行った。

 

なかなかに弾丸でハードな旅。『金魚のフン』の私は、それからまた『添乗員旦那さん』の後をユラリユラリと長崎まで引率してもらい帰って来たのである。

 

ガンバレ長男。会えてよかった!

 

あぁしかし・・・あのまま『神の領域』は本当に人を寄せ付けない真の『神の領域』となっていくのだろうか。・・・。恐ろしや恐ろしや・・・。(笑)

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