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ウエストのおんな〖スニーカーで気分はスキップ♪〗第12話】~もみまきの巻~

5月に入ったあたりから、旦那がしきりに次男の週末の予定を聞いていた。

 

そろそろなのか?

 

そう、田植えのための『もみまき』である。

来月の田植えに備え、苗作りをしなくてはならない。その手伝いをさせようと、次男の休みを狙っていたのだ。

 

次男の職場の年間カレンダーを見ながら、「おぅ!おぅ! この日は休みたい!『もみまき』ば手伝えよ!」そう言う旦那の言葉に次男は

 

お耳が『ちくわ』になっていた・・・。

さらに私の予定が書きこんであるカレンダーもチェックしていたが、『もみまき』の予定日は、残念ながら出勤で「うわ~ 仕事ね~」と落胆していた。しかし私がいたところで何もすることはない。

 

どうせ現場監督だろう。

 

 

日曜日なんて仕事に行った方が、時給もちょっぴりアップするし、そっちが私的には断然良い。

 

1日『もみまき』の様子を監督したところで、腹の足しにも何にもならん。

 

それでもってしつこく「この日は休みね?」と次男に巻き付いていた旦那だったが、かわいそうに

 

「休みけど、オイ、佐世保に行くばい(笑)」

「サバゲーに行きますけど」

と非情な一言を浴びせられていた。ははん、次男のお耳が『ちくわ』だったのか理由がわかった。ご用事があったのね。

 

多趣味の次男は、西海市にUターン就職してから、あんなにハマっていたサバゲー(スマホやTVゲームではなく現地実践型)にあまり行かなくなった。

 

まだ20代前半だというのに、休みの日は終日引きこもりである。聞けば1週間の仕事の疲れを

 

泥の様に寝て回復させているのだという。

今の仕事は前職の様に体を使うことはないが、アイディアやセンスや技能、それにお客様対応・・・。きっとオツムが相当にお疲れなのだろう。

 

美容師時代にそれらを腹いっぱい経験し、そして挫折した私は、その気持ちがわからんでもない。

 

更にその上から泥を掛けてあげるから寝なさい・・・。

 

とか言ってしまいそうである。それが本当に久々に、よりによって旦那が『この日!』と決めた『もみまき』の日に

 

「その日サバゲーに行きますけど」

と次男が言ったので、私は肩を上下させて笑ってしまった。クックック。

『プシュンッッ』っと次男が放った『サバゲーに行きますけど』という矢は、容赦なくグサリと旦那に刺さった。

 

「なんや~ おらんとね~」・・・かなり寂しそうである(笑)

 

ごめんなさいね~ 私も現場監督できなくて~。

 

でもまぁ我が家の田んぼも、年々規模縮小。農家ではないので自分の家で食べるくらいのお米が取れればいい。

 

なので『もみまき』もいつの間にか旦那と義母でパパッとやって完了しており、結局次男も私も「やっぱ必要なかったんじゃね?」と思ったぐらいであった。

 

そして数日後、どうなった?と、籾に掛けてあったビニールシートを剥いでみると、すでに苗は5~6センチにお育ちになっていた。(本日確認)

今回は、現場監督に任命されたのに、役立たずでスイマセン。 え?任命してない?(爆)

 

次は来月の田植え。また現場監督に任命されると思われるが、きっと私は50円アップの時給に釣られ、仕事の方を選ぶ確率が断然に高いので、今ここで宣言しておく!

 

私、仕事に行きま~す♡

 

だって、田植えに参加しても、どうせ『何もしない出来ない現場監督』なんだから。

 

せっかくお手伝いする気満々のフル装備でスタンバっていても「お前は端っこにおれ!」とか「邪魔にならんごと!」とか。挙句は「もうよかけん帰っとけ」とか言われる。

 

「おおおおおおおおおおいっっ!!」👈👈

 

エガちゃん(江頭2:50)になっちゃうじゃん。

 

ということなので、田植えは次男を『いけにえ』として差し出し、私はパートで汗をかくことにする。

 

私の本番は秋の稲刈りなので、それまでに体を仕上げておくと約束をして、『もみまき』に続き、『田植え』も見逃していただこう。

きっと稲刈り時期にはキッチリと体は仕上がり、割れた腹筋にうっとりしている私がいることだろう。

・・・・。ム~リで~す!

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