『私の「物」語り~ものがたり~』 SCC取締役兼デザイナー・山田健太氏に聞く

彼は、かっちりしたベージュの背広にしゃれたネクタイ・黒いマスクとお洒落な服装で、お辞儀をしながら待ち合わせ場所に現れた――。 西海市の地域商社「Saikai Creative Company」(以下SCC)の取締役でデザ …

彼は、かっちりしたベージュの背広にしゃれたネクタイ・黒いマスクとお洒落な服装で、お辞儀をしながら待ち合わせ場所に現れた――。
西海市の地域商社「Saikai Creative Company」(以下SCC)の取締役でデザイナーでもある山田健太氏(40)。

グラフィックデザインを中心にコミュニケーションや企画などのさまざまなデザインを手掛けています。
地域社会で活躍する山田さんはどんな素顔を持っているのでしょうか?素顔のヒントを探すべく、ビジネスバッグの中身を見せていただきました。


「持ち物」や「ハマっている物」を見るとその人の価値観や人間性が見えてきます。西海市のさまざまな分野の第一線で活躍する方々に、所持品や宝物などの「物」を通してその人の人生観を聞いていく本企画。今回は記念すべき第一弾です。


【プロフィール】
山田 健太(やまだ・けんた) 40歳、西彼町在住。デザイナー。
西海市出身。デザイン制作会社・広告代理店勤務後、西海市へUターン。現役のデザイナーでありながらSCC取締役として地域社会の活性化に携わっている。
妻・二人の子どもと4人暮らし。趣味は阿波踊り。

 

バッグの中身を拝見!

ビジネスバッグの中身は、パソコン、名刺ケース、スマホ、パスポート、本、ペン2本、タブレット菓子、昔の学生証、USBメモリ、SDカード、小銭(6円)、印鑑、付箋、メガネケース、紙袋2枚、雑誌の切り抜き。
整然と収まっている印象です。

 

学生証?

「僕、これから学生になるんです。アート・デザインの分野で2年間大学に行こうと思っています。これは入学時に過去の卒業証明を出す必要があって。デザインの教養というか、学術的な勉強をしたいです。
デザインを学ぶのは、周りのデザインに興味をもってくれた人に教えてみたいなと思って。体系的に誰かに教えるっていうのは難しいことだと思っています。大学に行って、デザインそのものについてもですが”先生がどういうふうに授業をしているか”も勉強したいですね。できれば、4月からデザイン教室を開催したいと思います。
アートは趣味ですね。アートを見ると、昔から言葉にできないようなわくわくする気持ちが湧きます。言葉にできないけど、『いいな、美しいな』と思うところが好き。」

過去の学生時代の写真も出てきました。雰囲気が違いすぎて別人みたい!

「西海市って、能力が高い人がたくさんいるんですよ。SCCの仲間を始めいろいろな分野の人が集まっている今、周りにとっても刺激を受けています。
その一方で、自分の今までの知識は何だったんだろうと思うことがあるんです。だからいろいろと勉強したい。」

 

紙袋

「これは、お菓子のお土産袋ですね。おしゃれでかっこいい色合いとかデザインの袋を見つけると持って帰ってきて集めているんです。これとかもいいでしょ?仕事でアイディアが欲しいときに引っ張り出してきて眺めています。家にけっこう貯めこんでいますよ。おばあちゃんみたいでしょ(笑)。」

「雑誌の切り抜きも、いいなと思うコピーや広告を切り抜いています。デザインの学校に行っていた頃は誰かの真似をするなんてダメ、自分のオリジナルでないとダメ!と言われてたしそう思っていましたが、仕事をする上ではそんなに時間がない。すでにあるものからインスピレーションを得ると速いですよね。」

 

取得手続き中のパスポート

「台湾に行く予定があって、パスポートを取っている最中なんです。台湾は、デザインに国を挙げて取り組んでいる国なんです。そこでデザインを見て勉強したいなと思って。ちょっといろいろと新しくインプットをしようと思って、海外旅行に行こうかなと。ヨーロッパにも行きたいとは思っていますが、台湾は近いし安いですし(笑)。」

 

今読んでいる本

「今ね、本を読みたいんです。読みたい本は溜まってて10冊くらい(笑)。
Royal College of Artというイギリスの大学があるんですけど、あの掃除機のダイソンの創業者もそこでアートを学んでいたんです。そういう風に世界のエリートが経営にアートの視点を持ち込んでいることを紹介している本です。
僕がアート分野が大事と思っているのは、デザインとしてここがこういう理由で良いんだと合理的に説明できるデザインをしてもわくわくしないんですよね。逆に理論じゃなく自然に表現してしまうときのほうがわくわくしたり。それがアートですよね。
そういうことを自分で言語化したいけど説明できなかったんです。でもこれはその僕の言いたいことと同じことが書いてあった。」

「『美意識』というのは僕にとって大事なキーワードなんです。
美しいと思う気持ちはだれもが持っているはずで、それをくすぐるような仕事がしたいと思っています。これは「美意識」と「経営」というワードで検索した結果出てきた本でした。」

「でも今までは本は全く読まなかったんですよ。今まで、生涯を通して(笑)。マンガとかも全然読まなかった。
中学校のときに絵がうまいと褒められてから、自分を表現するときには絵を描けばいいと思っていました。だから言葉にする練習は全くしてこなかったんです。就職してサラリーマンになっても、デザインをしていればいいからしゃべる必要もなかったし。でも今は、西海市の課題解決をしたいと思うようになって、そのために人に伝える部分が必要になってきたんです。
そのためには、引き出しを多く持って、人に何かを伝えるというスキルを上げていかないといけないって。
だから生涯読んでこなかった本を、ここ1年くらいで急に読むようになってきました。
今はインプットの時期が必要だと思っていて。どこかに籠って誰とも会わずに缶詰したいくらいです(笑)。」

 

故郷への思いと、理想の死に様

「今ね、焦りがでてきたんです。僕は40歳になって、人生というか死を意識したんです。人生80年といいますけど、もう折り返しでしょ。
幼少期、家が農家だったんです。めっちゃ田舎だった。周りは山で街灯もないくらい。でも山からの景色はすごくきれいでした。
毎日じいちゃんたちが耕している畑に通って、僕はそのへんを近所の子どもたちと走り回っていました。でね、それを自分がじいちゃんになったときにそうしたいなと思っているんです。おじいちゃんが好きすぎて重ね合わせてしまう。」

「西海市にはそれを実現するために帰ってきました。でも、実際帰ってきたら、田舎の現実の厳しさに直面しました。
西海市の人口は約28000人。毎年400人くらいずつ減っているんです。このまま進めば、西海市の未来は80年しか残されていない現実なんです。80年ですよ!
そして僕は、じいちゃんになって畑を耕しながらパッと倒れてそのまま死にたい。それが理想なんです。そのためには子どもや孫が一緒に楽しく暮らしてくれないといけなくて、だとすると今の豊かな環境を残さないといけないでしょ。そのために今どうするか、ということなんです。

僕にとっての第一の壁は奥さんを連れてくることでした。それは何とかクリアして、そして第二の壁が、子どもたちが安心して暮らしていける環境を残すこと。畑や山や元気のある町を残さないといけない。だから、僕は西海市の人たちを幸せにするためにも商工や観光、物産などいろいろな分野でカンフル剤になりたいんです。
何十年か後になっても、子どもたちが安心して暮らしていけるかなという不安がありますから。」

 

趣味・阿波踊りの深い意味

「40歳って、働き盛りで仕事ばっかりになりがち。だから家族の時間を大切にするために家族みんなで阿波踊りをやっています。一緒に練習して、イベントにも行きます。昔は近所の人や子どもがたくさんいて遊べたけど、今はそういうコミュニティが減っていますよね。だから何か家族でできるイベントがないとと思って。」

「阿波踊りは西海橋のイベントで出会って、おじさんが踊っているのが美しくて衝撃でハマりました。
おじさんって、カッコいいわけでもなく腹が出ていたりするおじさんですよ。でも美しかった。
阿波踊りって美意識を体で表現することですよね。僕自身、痩せていたりと体のコンプレックスがあったけどそれを捨てないといけない。昔からカッコつけるのをやめたい気持ちがあって、でもなかなかやめられなくて。でもそこで阿波踊りを見て『俺、変われる!』と思った(笑)。」

「何かを言葉にして説明するのって難しいですよね。苦手なんです。でも今は、文化やアートや言葉にできないことを見える化していくことがミッションと思っています。」

まとめ

終始笑顔で楽しそうに語るその裏に、真剣な思いがありました。

今は『インプットの時期』ということで、持ち物にも勉強やスキルアップにまつわる物が多くありました。愛する西海市の未来のため、そして自分の理想の実現のためという強い想いに背中を押されて貪欲に学びスキルを上げようとする山田氏。氏は、40歳という「不惑」の歳にしてまさに惑わず、ゴールに向けて一歩そして一歩と、そのチャーミングな靴下をはいて進んでいくのです。(とってもかわいいサクランボ柄の靴下をはいておられました!気になる方は、写真の中からお探しください。)

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