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【ウエストのおんな ≪木枯らし吹く日のちゃんこ鍋≫ 第2話】~予約の取れない娘の部屋~

先日、職場の忘年会に行って来た。目の前のご馳走の数々にココロがおどるおどる!

久々に胃袋の限界まで挑戦した感じであった。

 

あ~! 人の作ってくれた飯はホントに美味い!

 

心底そう思い、一口一口噛みしめていただいた。

 

実はその日、旦那も『忘年会』であった。飲み会だともちろん車を運転できないので、おのずと『お泊り』となる。

 

まあ、私もご馳走を食べるし楽しませてもらうという訳で、今回の旦那の『お泊り忘年会』についてはおとがめ無しで見送ったのだが、旦那には忘年会後のお楽しみも控えており、さぞかし楽しい酒の席であったと思う。

 

忘年会後の楽しみとは・・・

 

娘のアパートにお泊りさせてもらうこと♡

 

お酒は飲めるわ、娘の部屋に泊まれるわ、ウハウハじゃないですか!

ただ娘のアパートにお泊りするには、なかなか予約が取れないのが難点である。運良く予約が取れたとしても確実ではない。

 

なぜかというと、予約がとれたにも関わらず、ギリギリにならないとお泊りできるかどうかすらわからない、まぼろしの宿泊施設だからである。

 

その日はどうにか泊めてもらう約束が出来たらしく、旦那も安心して出勤したのだが、翌日、「やられた!」と言って帰って来た。

 

それは忘年会の会場からアパートに行く前に娘にメールで予約の確認をすると

 

「友達の来るかもしれんとさね~」

 

と、悪魔のささやきを発したらしい。

 

そんなことを言われたら、キャンセルせざるを得ない・・・。一度きりの青春を謳歌している女子大生、親として友達を優先させてあげるべきであろう。

 

結局、娘のアパートにお泊りは出来ず、一泊4100円のカプセルホテルに急きょ、ご宿泊の運びとなったようである。

 

これこそドタキャンである。

 

しかし、これが初めてのキャンセルではない。前回はもっとヒドイ仕打ちを受けたことを、旦那は忘れていたのだろうか?

 

前回、お泊りの予約を娘に取り、「多分何もないと思う~」とか「大丈夫って思う~」とかのらりくらりとした返事だけで、「泊まっていいよ」という確実なお言葉をもらえぬまま当日を迎え、そのまま夜になって娘のアパートに行ったそうだ。

 

どうしてなの~?

いつになく不機嫌な娘。

 

娘の態度の違いを敏感に感じ取った旦那だが、そこは泊めてもらわないと、この時間から新たに宿泊先を探すのは大変なので、その態度の違いをビンビンに感じつつ、気にしないようにしてやり過ごそうと頑張ったらしい。

 

しかし娘の旦那に対する対応はあまりにも厳しく、ツライものだった。なぜ知っているのかというと娘が不機嫌で旦那にキツく当たる理由は、娘からLINEで直接聞いていたからだ。

 

間欠あけずに文句の嵐が連打でやって来る!

「あーーもう!」

「あーーー!イライラする」

「もーーーーー!」

 

「友達が遊びに来たいとLINEが来たのに、なんでおじさんがここにいるんだ?イラつくムカつく!」と、こんこんと訴えてくる娘。私のLINEは娘の愚痴で大フィーバー。

 

そんな娘の強い殺気すら感じる中で、旦那もまた私に悲痛な思いをメールで送ってきた。

 

「なんか娘ちゃん、機嫌のめちゃくちゃ悪か。おとろしか」

 

なので、『天の声』として旦那に助言してやった。

 

「あんた今日お泊りできんかもよ」(笑)

いつもの就寝姿のパンツ一丁シャツ姿で「さあ!寝るぞ」となってから、娘の凄まじい『圧』に負けた旦那は、助言の通りお泊りを断念した。

 

パンツ一丁シャツ姿になってからのキャンセルはかなりのものである。

 

「もう今日は泊まらんで帰る」と言うと、娘は満足そうに「にやり」としたそうな。その顔を今も忘れられないという。

 

一度大変な目に遭っているにもかかわらず、何故同じことを繰り返すことができるのか!実に愉快なアラフィフ旦那である。

 

めっぽう末っ子娘に弱い旦那は、娘からヒドイ仕打ちをいくら受けても、やっぱり尽くしてしまう傾向がある。

「要らない荷物を取りに来て欲しいとけど~」と言われ、娘のゴミをガッポリと託される旦那。

 

「私、日曜しか休みないから~」と言われ、自分の休みの日にわざわざ1時間かけて用事を仰せつかりにアパートまで行く旦那。

 

親の言う事は聞かないが、自分の要件は絶対に飲ませる娘の方が、旦那の一枚も二枚も上手である。

 

まぁ、世の中上手く渡って行けるタイプだよね・・・。

 

ということで、12月も半分過ぎてしまいました。今年もいよいよ残り17日。『ウエストのおんな』も今年はあと2回。大掃除も年賀状書きもウエストのお惣菜に助けてもらいながら頑張って仕上げなくては。どうかどうか年末までに間に合いますように・・・

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