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キンコ~ンカンコ~ン!大島町『明生大学』明るく生き生きと本年度の授業開始です。

こんにちは、ばりぐっど編集部のベーヤンです。

6月に入り、西海市の各町でいろいろな教室が始まります。

大島町では昭和41年から続く『明生大学』の講座が開催されました。

町内の高齢者を対象に、健康で明るく生き、人生をたのしむための生涯学習のひとつです。

 

今回の講師は、『お茶処しまだ』の代表取締役で日本茶インストラクターの嶋田裕子さん。(日本茶インストラクターとは、日本茶について効能、おいしい飲み方、お茶の種類・産地などの知識を認定する資格です)

 

本年度第一回目の開催にふさわしく、華やかでたのしい様子をご紹介します。

学校みたいなチャイムが鳴り、いよいよ授業開始です!

講話「日本茶のくれた贈り物」

集まった参加者は38名。一人ひとりに嶋田先生が用意してくださった、お茶菓子とお茶の道具を前に、みなさん少し緊張気味です。

私たちには馴染みある日本茶ですが、知っているともっと美味しくいただけるポイントがあるそうです。

それが、お湯の温度・茶葉の量・お湯の量・時間・おいしい水。

そのひとつひとつを説明しながら、実演していきます。

先生が入れたお茶の味見をした方からは、「わー!甘い!」「うちのとは全然違う」と驚きの声。

お茶を入れているしぐさって、とても美しいと思いました。

 

 

嶋田先生は、高校の生徒たちにもお茶の淹れ方を教えています。文化伝承もありますが、企業がお茶をいれられる社会人を求めていると言うのです。

ペットボトルでお茶を飲めるようになり、急須や茶たくがない家もめずらしくないそうで、「生徒たちは湯飲みを『コップ』と呼ぶ」と、寂しそうにおっしゃっていました。

 

先生の教えに従い、今度は参加者がお茶をいれます。

 

まずは、人数分に茶葉をいれ、適温のお湯をそそぎます。

茶葉を計って入れるのは初めての方もいらっしゃいます。

 

これからは「おーいお茶!……入れたよ」と、奥さまとお茶を飲めるように練習です。

 

 

今日のお茶うけは「青梅」をかたどったもの。季節を切り取った和菓子も日本茶を引き立てます。また、胃を刺激しない大切な役割もあるそうです。

 

参加者のあちこちから、なにやらかけ声が聞こえます。

1、2、2、1、1、2、3……。

 

人数分の湯飲みを行ったり来たりして、少しずつお茶をそそぐ順番の声です。

 

少しずつ、少しずつ。

1、2、2、1……。

 

みなさんに楽しそうな笑顔が生まれます。

優しい手つきで丁寧に入れていますね。

心がこもった美味しいお茶がそそがれていきます。

「美味しかー!」「甘いし、すこぉしコクもあるとね」「香りがよかね~」あちこちで感想が行き交います。

お菓子も手でいただくものと、楊枝を使うものがあることも学びました。

「お菓子もおいしか~」

 

朝にいい飲み方、お湯の温度によってカフェインやカテキン、テアニンが出ること。その作用によってスッキリしたり、リラックスできたりすることなども知りました。

 

茶葉の色、香り、細かさなども実際にたしかめます。

みなさんとっても熱心です。

 

会場では、次々と質問があがります。

「夜にお茶を飲むと、眠れないのは?」「大勢の人が来た時の入れ方は?」「玄米茶や、ほうじ茶は来客には不向き?」「保存はどうしたらいいの?」など、知っているようで知らなかったことがたくさん出ました。

これからの季節におすすめの『水出し緑茶』の作り方は、簡単でうま味が水に溶け出すので美味しいと好評でした。

 

参加者のみなさんは「お茶がおいしかったぁ~、うちでもせんばねー」「来てよかった。楽しかった」「高いお茶買わんば!」とたのしそうでした。

 

最後に、先生は「日本人の文化でもあり、日常生活の日本茶に興味を持って欲しい」

「特別なことでなく、今の生活の中で伝えていってください」とおっしゃいました。

 

半紙に書かれていた言葉「風颯々 水冷々(かぜさっさ、みずれんれん)」の意味は、

「風はあくまでもさわやかに吹いて、水はあくまでも冷たく流れて、心を落ち着かせ自然を感じて欲しい」。

人生の時を重ねた『明生大学』によく似合う言葉だと思います。

 

一杯の日本茶で、ご年配の方たちが笑顔になった素敵な授業でした。

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