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【ウエストのおんな~SUMMER~第6話】<海近家・お盆の過ごし方>

 

海近住子(うみちかすみこ)47歳!

西彼に住む『更の年期』がチラチラ顔を出すお年頃のアラフィフパート主婦である。

 

そろそろ、お盆がやってきますな。

お客さんが来たり、家族が帰省してきたりで主婦はそのお世話にあれこれ忙しいらしい。

職場のお姉さま達もお盆の予定がみっちりだと悲鳴をあげていた。

 

おかげ様で我が家にはお客さんが来ることもないので、海近家は私の実家へ『一泊二日の墓参りツアー』へ出かける。

実家に暮らすのは父母だけなので、なんの気兼ねもなく羽根をビヨンビヨンに伸びきるまで伸ばすことができ、至福の時間を楽しませていただけるのだ。

 

あ~ 天国天国♡

家族が揃うのはやっぱり正月とお盆くらいなもので、そうなると母も頑張って手料理をたくさん用意して待っていてくれる。

これを上げ膳据え膳と言うのだろう。私はたらふく『上げ膳』と『据え膳』を噛みしめるのである。

 

せっかく作ってくれてるから『ありがたく頂こう』という思いも当然だが、それよりも何よりも普段海近家ではなかなかお目にかかることのできない、お値段ちょっぴりお高めの『お肉』がテーブルの上にご登場するのが真の狙いである。

 

『肉』が登場するや否や、私の中のリトル住子が興奮のあまり

 

『ギャル曽根住子』を誕生させてしまう。おて!

 

『お肉』それもお値段がちょっぴりお高い『お肉』・・・。

海近家では決して手の届かない領域の上等な『お肉』・・・。

これを食べるために一年頑張ってきたと言っても過言ではない!

さあさあ!腹の皮が伸びきるまでいただこう! ギャル曽根ばりにいただこう!

 

そしてその日から当然のように『食いすぎ夏太り』に悩み、『なんであんなに食ったんだ!』と自責の念に駆られるのだ。

「おーまいがーーー」

 

テレビで見るギャル曽根は並みの人間レベルを超えた量食べても全然太らないのに!

私は言うほど『お肉』食べれてないし、なんだ?この腹の出方は?腹の皮は伸びきっても腹は出てはいかん!

 

だって私はギャル曽根ではないんだもの。

 

そう、私はギャル曽根ではないのだ。

ギャル曽根のお腹の仕組みは一般ピーポーの私とは違って、どうやら太らないような構造になっているらしい。へー。

 

でも私の『食い過ぎ夏太り』は毎年の恒例行事で、『一泊二日墓参りツアー』にキッチリ組み込まれているのでキャンセルができない。

 

ああ 夏太りだけは是非キャンセルしたい!

 

この一泊で確実に2キロは太る。最低2キロ。上限はないので自分のさじ加減でいくらでもジャンプアップは出来る。

 

わかっていると思うが、アラフィフは痩せにくい!

 

何やってもなかなか痩せない。年取って代謝が悪くなったから水飲んでも太る。

水飲んでも太るのに『ギャル曽根住子』とかとんでもない!

 

年々、自分の身体を持て余すありさま。

アラフィフって怖いわ~

 

・・・アララ~? トコロデ~ ワタシハ ナニヲ~ ハナシテ~ イルンデスカ~?

 

お盆に『ギャル曽根住子』になる話しをしたかったのではなく、実家でのお盆の過ごし方を話したかったのに。

 

そういえば

 

墓地で花火をするのは長崎だけだと、昔『秘密のケンミンショー』で言っていた。

「お墓で花火をするなんて、バチがあたる」と街角インタビューされた誰かが言っていたが、小さな頃からお墓で花火をしてきた長崎県民は私を含め、耳を疑ったに違いない。

 

「え?全国共通じゃなかったんかーい!」

 

長崎県内に嫁いでよかったわ。長崎の常識が県外では通用しないことを『秘密のケンミンショー』で学習させていただいた。

 

なんだか、小さい頃からのならわしを『バチが当たる』って言われたのは、、ショックだったなぁ・・・

 

「しもしも~ お父さん? 帰りにさ~ウエストで線香花火、買うてきてくれ~ん?」

なんかちょっとおセンチになったけん、線香花火したくなったっちゃ~ん。

 

NO WEST NO LIFE !

今日も海近家は平和である。

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