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年始の伝統行事!『鬼火焼き』『もぐら打ち』レポート/大瀬戸支局

こんにちは、ばりぐっど大瀬戸支局の"のこ"です。

みなさんは、お正月休みどのように過ごされたでしょうか?

初詣に行ったり、初売りに出かけたり、家でのんびりしたり…。

ちなみに、私はひたすら食べたお正月となり、体が重いです(苦笑)。

さて、1月7日に大瀬戸町東濱地区で、正月の締めくくりとなる伝統行事『鬼火焼き』『もぐら打ち』が行われました!

ご紹介します♪

 

火の粉に叫ぶ「鬼の骨(おんのほね)」!無病息災を願う鬼火焼き

鬼火焼き(おにびやき)とは、呼び名はどんど焼きや鬼火焚き(おにびだき)など地域ごとに違いはあれど、正月に飾り付けた物などを地域で集めて焼いたり、その火で餅を焼いて食べたりする風習で、全国的におこなわれています。

大瀬戸町東濱地区では、東濱の海岸の砂浜で行われました。
11時すぎ頃から地域の男衆が集まり、木や竹を組んで櫓(やぐら)を作ります。

そこに、地域の方々が持参したお正月の飾りなども置いていきます。

ひと通り集まったところで、点火!!

あっという間に火が燃え広がります。この炎にのって悪い鬼(悪霊)が逃げていくという説があるようです。

竹がポーンと音を立てて破裂すると、「鬼の骨(おんのほね)!」との掛け声が。鬼(悪霊)を追い払う意味が込められているのです。鬼が大嫌いな子どもが、一生懸命叫んでいました!

残った炭火を各家庭に配り、それぞれ餅など焼いて食べます。良い焼き色で、美味しそう♪

鬼火焼きの火に当たり、その火で焼いた餅を食べたらその1年は無病息災と言い伝えられているそうです。

魚や牡蠣などを焼いている方々もいましたよ!

お手製の竹カップでの熱燗!飲めばお顔も熱々で真っ赤っか〜♪

子どもたちは砂浜を走り回り、大人たちはそれを見守りながら、焼いた餅や魚介を食べ、お酒を飲み、談笑して、残り火が消えるのを待つのです。

「あけましておめでとうございます」の挨拶が行き交い、年始の地域交流の場となっていました。

 

子どもたちが活躍!今では東濱地区が唯一実施する伝統行事『もぐら打ち』

もぐら打ち(もぐらうち)は、地域の子どもが竹に巻いた藁などで家先や田畑の地面を叩いてまわる九州地方に伝わる伝統行事です。

昔は各地区で行われていましたが、少子化などの事情により開催地区は減り、今では大瀬戸内は東濱地区のみ。

鬼火焼きがひと段落した、夕方から公民館にて準備開始。父親たちが見守る中、子どもたちがもぐら打ちの口上を練習していました。

そのあとは、母親たちが子どもたちの顔に白塗りや独自のメイクアップ!

準備完了!やる気はバッチリです!!

外もうす暗くなってきた18時頃に出発!
6つの班に分かれて、各班が20箇所近く家を回ります。各家の玄関先で、子どもたちが元気よく、口上とともに藁を巻きつけた棒で地面を叩きます。こうして悪いものを追い払い、家内安全を願うというものです。

担当の家を回ってしまったあとは、再び公民館にて集合。そこには、頑張った子どもたちのために、母親たちが愛情たっぷりのカレーライスを用意してくれていました。

ひと仕事終えた達成感と美味しいカレーライスを食べる喜びがあふれる、子どもたちのにこやかな表情が印象的でした♪

 

地域の人と人のつながりを深める場でもある伝統行事

今回、鬼火焼きで点火をされていた、東濱地区東和会の会長である杉本兼幸(すぎもと かねゆき)さんに、伝統行事についてお話をうかがうことができました。

「鬼火焼きももぐら打ちも昔からある伝統行事。もぐら打ちは、一度途絶えていたのが、二十数年前に復活して、今では東濱だけが行なっている。やめるのは簡単。絶やさず、続けたい。こういう伝統行事があることで、地域の人が集まって、話したり、お酒を交わしたり、交流ができるからね」と穏やかな口調でお話しされる中に、伝統行事への熱い思いを感じました。

時代とともに個人のライフスタイルが多様化し、それにともない地域コミュニティのあり方も変化が生じていることから、地域のつながりの希薄化が全国的にクローズアップされています。

しかし、今回の大瀬戸町東濱地区の「鬼火焼き」「もぐら打ち」には、伝統行事を残していきたいという背景に、行事を通して地域住民のコミュニケーションを図り、つながりを深めていきたいという思いが込められているように思いました。

今年もたくさんの地域行事が予定されています。ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。行事を通じて、そのコミュニティでの人とのつながりが広がりますよ♪

以上、ばりぐっど大瀬戸支局からでした!

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