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【東京ばな奈はもう嫌なの(嫁編)】〜西海の女が本当に欲しい東京土産〜

「行ってらっしゃい。」

玄関から差し込む大瀬戸の風は今日も麗しい。

いつものように夫を送り出す100点満点の私。

そう。私は表面上は模範的な嫁。しかし少し蓋を開けてみれば夫への不満のボルテージは上がっていくばかり。いわばロールキャベツ系女子。

最近の女子会での会話は専ら夫の悪口。濡れたバスタオルをその辺に置いとくだの食器を片付けないだの内容はしょうもないことだ。

私が特に夫に抱いている不満は東京出張の際のお土産のチョイスだ。

多分私は東京の人の20倍は東京ばな奈を食べていると思う。いや食べている(断言)。もちろん最初は嬉しかった。

世の中に四季があるように東京ばな奈にも様々なテイストがある。夫は毎回ちょっとずつ四季の変わった東京ばな奈を手にぶら下げて帰ってくるが東京ばな奈という括りにはかわりない。もちろんどれも美味しい。確かな美味しさだ。

しかしこのマンネリ化した日々にちょっとしたスパイスが欲しい。

そう思っていた矢先、東京出張から夫が帰ってきた。見たことないくらいのドヤ顔だ。

するとなんということだろう。私のど真ん中中のど真ん中なお土産を持って帰ってきた。

【ヴィタメール マカダミア×ショコラ】

ヴィタメールの「ヴィ」が「ビ」じゃないオシャレさ。

ナッツ好きの私に夫がピーナッツ以外をチョイスしてきたことへの感動。

【花のババロア】

食べられるお花。見ているだけで美しさにうっとり。

結婚記念日に盆栽を買ってくる夫の成長に感動。

今日の私は機嫌が良い。どうやら私は単純な女のようだ。

 

明日はいつもより濃い口紅を塗って夫の帰りを待とう。

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