西海市西海町で「おもしろいデイサービス」づくりに挑む、合同会社well-being・訪問看護ステーションウェルビー代表の伊藤健大(いとう たけひろ)さん。
前回のvol.1では、「要介護になる前、元気なうちから関われる場所をつくりたい。」という伊藤さんの思いと、アイデアはあるのに頭の中がごちゃごちゃしたまま一歩踏み出せない。という状況までをお届けしました。
そんな中、伊藤さんが思い切って申し込んだのが「ニシノコンサル」でした。
ニシノコンサルとは、絵本『えんとつ町のプペル』の作者でありキングコングの西野亮廣さんが、経営者や個人事業主の相談にマンツーマンで乗り、一緒に事業の打ち手を探っていく企画のこと。国内最大級のオンラインサロンを運営する西野さんのもとには、これまで全国から数多くの相談が寄せられてきました。
そんな西野さんが、なんと西海市にやってきたのです!
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「ごちゃごちゃ」を言語化できたニシノコンサル

「おもしろいデイサービスってなんだろう。」
スタッフとアイデアを出しては却下する日々。「子どもと交われる施設は?」など、案は出ては消えていきます。頭の中にアイデアはたくさんあるのに、整理できていない。そんな状態を変えたのが、西野亮廣さんの個人コンサルでした。
伊藤さんが「カフェとデイサービスの融合」というぼんやりした構想を投げかけると、西野さんからは「なぜデイサービス? なんでカフェ?」と、問いが次々に返ってきたそうです。
その問いに答えていくうちに、「『役割』と『繋がり』が大事なんだ、ということが、めちゃくちゃクリアに言語化できたんです。」
「これをやろう!」が決まった瞬間でした。
さらにこの日、西野さんが手がけるCHIMNEY COFFEE(チムニーコーヒー)をお店で使わせてもらう話も「秒」で決まったのだとか。そのとき、西野さん自身の口からこんな言葉が出たそうです。
「高齢者の支援って、僕でもなかなかできていない領域。この事業でじーちゃんばーちゃんが笑顔になれたら最高じゃないですか。」
しかし、伊藤さんにとって、CHIMNEY COFFEEそのものが目的なわけではありません。
「デイサービスという本丸をどうやるか。そのために、西野さんという巨人に乗っからせてもらう。それで高齢者が笑顔になれば、めっちゃいいじゃないですか。」
デイサービスには行かない。でも、コーヒーなら飲みに行く

構想の核にあるのは、カフェとデイサービスの融合です。
「カフェをやりたいわけじゃないんです。カフェは、言い訳なんです。」
「わしは、あがんところにはいかん!」とデイサービスを拒む人も、「コーヒーを飲みに行く。」なら足を運んでくれるかもしれない。カフェがあることで、そこに集う高齢者にも「役割」が生まれます。
親の介護に直面している世代も多いこの町で、高齢者と一般の人が自然に交わる場所になれば。そして、もし利用者さんの状態が重くなっても、医療のプロである伊藤さんたちなら対応できます。
「元気なうちからも、状態が重くなってからも、ずっと関われる。」訪問看護から始まった、伊藤さんたちだからこそ描ける設計図です。
お金の話を、隠さない

伊藤さんは、事業の華やかな部分だけを見せるつもりはないと言います。
「カフェって、キラキラしたイメージがありますよね。でも実際は、経営が厳しい面もあるんです。『やってみたら思ったよりスタッフの処遇が厳しかった。』ではダメなんです。長く続けていくため、収益面ともしっかり向き合って、安定した経営基盤をつくっていかないと。」
稼いだ収益は、働くスタッフへの還元や、レクリエーション活動に充てたいと考えています。創作活動の材料費など、参加者の皆さんに全額負担を強いることのないよう、事業としてしっかりとした基盤を持つことが大切なのです。
現在、必要な資金は約3500万円。カフェとデイサービスだけで回していくことも可能かもしれませんが、正直なところかなり厳しい状況です。だからこそ、同じ想いを持ってくれる仲間の力を借りたい、そしてクラウドファンディングにも挑戦しようと準備を進めています、と話します。
できていく過程を、全部見せる

オープンは約9ヶ月後。中身はまだまだこれからで、「輪郭が見えてきた段階」だと伊藤さんは正直に言います。だからこそ、この過程そのものを発信していくことに決め、noteやInstagramでの発信も始めています。
「この事業をやろうと決めてからの半年間に、戻ることはできない。企画が上がっては消えていく過程も含めて、失敗も洗いざらい見せたらいいんじゃないかなと。プロセスを知るって、面白いし大事なことだと思うんです。」
「見せてもらっているから、応援したいと思える。」ここで働いてくれる人・利用してくれる人が、プロセスをすべて見られるようにしておきたい。すでに、この事業に興味を持ってくれている地元の方もいるそうです。
「看護師も、医療だけやっていればいいわけじゃない。人口が減っていくこの町で、どうやって医療を持続させるのか。工夫しないといけないんです。」
歳を重ねても、笑顔で過ごせる場所を。西海市に、そんな新しい居場所が生まれようとしています。この挑戦にワクワクした方は、ぜひ伊藤さんのSNSを覗いてみてください。
note: 伊藤健大 https://note.com/_takehiro_ito
インスタグラム: https://www.instagram.com/wellbe_home_nursing_care/?hl=ja
*7月20日より、「CHIMNEY COFFEEを作りたい」クラウドファンディングがオープンしました。
クラウドファンディング: https://www.picture-book.jp/projects/05578
