ばりぐっど編集部です。
今回は、6/24-26に開催されている「ホテルニューオータニ博多×西海市コラボレーションフェア」にて、美味しい素材を提供いただいている事業者さんのもとを長崎国際大学 国際観光学科の学生の皆さんが取材してくれていますので、そちらをご紹介します。
3.川添酢造 有限会社
西海市の南側、豊かな自然に広がる雪浦地区にある川添酢造。お酢の芳醇な香りが漂う酢蔵は明治33年からの老舗であり、長年の伝統を遺しながら現在もお酢造りの進化を続けています。
水が良ければ必ずいい品ができるという創業からの考えを引き継ぎ、雪浦の良質な水や原料・環境づくりに欠かせない炭にこだわり、無駄な添加物を入れない自然な製造品造りを心掛けています。
特にお酢の土台となる麹も手作りで製造しており、その原料となる玄米は滋賀県の無農薬玄米を、その他原料も近場の九州・長崎県内のものと地産で安心・安全なものを選んで使用しています。
これらからもお酢を造る上でのこだわりは私たちのお酢造りに対するイメージを大きく塗り替えると共に、職人の熱意・想いを垣間見る頃ができます。
そんな川添酢造で造られるお酢の中でも今回使われるクロモジ黒酢には通常のお酢とは一線を画す特徴とお酢・地域の未来を見据える特別な思いがあります。
「クロモジとは日本固有種の香木で優れた殺菌・成長作用があることから漢方、薬酒や高級爪楊枝などにも使われているものです。雪浦地区活性化の活動をしているNPO法人雪浦あんばんねと熊本大学薬学部の渡邊高志教授のゼミを主体とする植物観察会からの助言から、製作が始まったクロモジ黒酢。
最初はクロモジを雄に使うことに半信半疑ながらも、クロモジのポテンシャルとお酢と相性に魅せられれて1年半の試行錯誤の末、商品化に至りました。
お酢は醸酒しているお酢の保管の状態や長さによって味や雰囲気が変わりやすく継続的に安定した質のお酢を作り続けることが難しいとされている中、クロモジを黒酢に漬け込むことで殺菌作用等の効能からその課題を克服し安定したお酢造りを可能にしました。
さらに消費者の観点からも黒酢本来の甘味・旨味・栄養価はそのままにクロモジの効能が加わり、またお酢独特のツンとした香りが抑えられているため料理用としても飲用用としても使いやすい黒酢へと生まれ変わることができました。
川添酢造ではクロモジ黒酢をはじめとした料理酢のほかにも、飲むお酢をコンセプトとした酢らりという飲用酢を様々なフレーバーで展開しており、本コースのアペタイザーにもクロモジ黒酢入りの酢らりを使用しています。
料理酢の使用量が減少している中で、健康への意識の高まりから毎日お酢を飲むという健康法は続々と注目を集めています。 川添酢造の川添晋作さんは「お酢を飲むということを特別なことだと捉えている方が多いですが、手に取る理由が健康のためだけではなく食卓を楽しむための物として・美味しいからと理由で食卓に並ぶものになってほしい」とおっしゃっていました。
消費者の料理酢利用促進やお酢を身近に感じてほしいという想いが詰まったクロモジ黒酢を使った料理を存分にご堪能ください。
取材ライター
佐々野樹弥
世良航也
山本康太
馬場瑞季