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【ウエストのおんな(第7話)】~西彼在住アラフィフ主婦とその日常/ウエストの天使試験~

ウエストの天使試験

 

私は海近住子(うみちかすみこ)西海アラフィフパート主婦である。

 

世間はゴールデンウィークなるキンキラ週間の余韻を噛みしめながら現実の世界が始まったに違いない。

残念ながら私にはゴールデンなウィークは無かったような気がする・・・。

まあ、その分働かせてもらったということで、ありがたいと思わなければバチが当たるというものだ。

 

ありがたや、ありがたや。

 

そういえば、最近『プレミアムフライデー』なるものができたと、ニュースを賑わせていたがこれもまた私には関係のない話である。

しかしながら気分だけもプレミアム感を味わいたいので、そのうちにポートホールン長崎(現長崎オランダ村)にあるKITCHEN TSUMOTOでオシャンティーなディナーをいただいてみたいと目論んでいる。

普段、質素な食生活を送っているのであまりにもオシャンティーな食事をしてしまうと、お口と胃がビックリしてしまうのは目に見えている。

それまでにお口と胃を鍛えておこう。

 

さて、今日も仕事を終え、いつものコースでウエストへ。

ゴールデンなウィーク中も、そして現実に戻った平日の今日も、ウエストの天使たちはテキパキと仕事をこなす。

今日ももちろん買った商品を天使に託すと、キッチリとレジ袋に収めてくれた。実に気持ちが良い。

 

毎日足しげくウエストへと通う私だが、たまに他のスーパーへ行くことがある。

 

浮気ではない。

 

決してそのようないかがわしいものではない。

『マツモトキヨシに行ったついで』とか。『広田のブリスにしやままで行ったついで』とか。はたまた『琴海のドラモリまで行ったから』とか。『時津のしまむらに行くから』とかとか・・・。

旦那にはナイショのショッピングに出かけた先で、たまたまついでにウエスト以外のスーパーで用を足しただけに過ぎない。

なので浮気とは全く異なるものである。

おっと、話しが脱線・・・

 

話しを戻そう。

 

私はウエスト以外のスーパーで買い物をしたとき、つい

 

『ウエストの天使試験』

 

なるものを実施し、その試験を自ら受けてしまうクセがある。

ウエスト以外のスーパーで買い物をしたら、誰でも自分の意識とは関係なく、この『ウエストの天使試験』を受けているのだ。

 

そう、買い物した商品を自分でレジ袋に入れるというものである。

もちろん『ウエストの天使試験』というのだから、ただやみくもに袋に詰めればよいという訳ではない。

 

素早く! 正確に! バランスよく!

 

これをクリアできなければ『ウエストの天使試験』には受からない。

もちろん商品を詰めた後のレジ袋は、手を添えずとも崩れず自立できているという高度なテクニックも要する。

リンゴが2つ来たらどうする?

どん兵衛とカップヌードルがダブルで来たらどうする?

 

簡単そうで実に難しい。

これは例えると難易度高めのパズルなのだ。

ちゃんと組み立てていかないと、レジ袋は自立しないという訳だ。

袋の中でリンゴが2つゴロンゴロンころがり、どん兵衛とカップヌードルが喧嘩する。

これを上手く収めるには??

 

あなたは合格できる自信があるか?

 

私は幾度となくこの試験を受けるが、いまだ合格したことがない。

 

『ウエストの天使』ばりに、あのスピードとあの正確さでレジ袋の中へ収めるのは指南の技なのだ。

これに合格したら、今のパートをクビになったとしても、使える新人『ウエストの天使』としてデビューできること間違いなしである。

 

「即戦力になりますよ」がアピールポイント。

 

とか、妄想がモンモンと膨らんでいるところである・・・・・・。

 

私はこれからもウエストに通いつつ『ウエストの天使試験』を受け続け、レジ袋入れのワザをモノにできるよう日々精進しようと思っている。

 

そんな私を今日もスーパーウエストは優しく受け入れてくれる。

次回「ウエストのおんな第8話」はこちらから

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