こんにちは!ばりぐっど編集部大崎支局のベーヤンです。
みなさんは『大瀬戸歴史民俗資料館』に行ったことがあるでしょうか。
「どこにあるのか場所も知らない」
「シーンとして堅苦しい感じ」
「難しい試験勉強を思い出すから苦手だ」な~んて思う方もたくさんいらっしゃる事でしょう。
ただ展示物を見て回るだけだし興味ない!と思っているそんなみなさんに、今日は素敵な人をご紹介します。
Contents
西海市を散策して巡る若き歴女を発見!
私が彼女を知ったのは去年の秋に開催された『西海市ふるさと発見講座の狛犬のかたち』でした。
男性ばっかりの中で、一人静かにほほ笑むうら若き女性…。アシスタントだとばかり思っていたらその女性が壇上で堂々と講師を務めたのです。
「わー!本物の歴女だ‼」思わず心で叫んじゃいました。
今回紹介したい人、それがこの時講師を務めた大瀬戸歴史民俗資料館学芸員の中村綾乃さんです。
中村さんは諫早出身の23歳。奈良の大学で人文学部・日本文化学科卒業。
西海市の第一印象は「海が近いな~」だったそうです。
民俗学研究会でいろんな場所でたくさんの知識を得た中村さんが西海市で興味を持ったのが「狛犬」。
西海市内中の狛犬を一社一社訪ね歩き、特徴や奉納された歴史、製作した石工(いしく)さんなどを調査した研究発表はどれも「へぇー」と思うものでした。
狛犬に興味があったものの、見方を知らなかった私は彼女のおかげで新しい狛犬のたのしみかたを学べて嬉しくてたまりませんでした。
興奮冷めやらぬ私は、後日自分の撮りためていた狛犬の写真を持って大瀬戸歴史民俗資料館の中村さんを訪ねたのです。
彼女をもう少し掘り下げてみたら…こんなことも出来るんです!
大瀬戸歴史民俗資料館には平安時代から石鍋を製作していたといわれるホゲット石鍋製作遺跡(国指定史跡)の資料や、海上での生活に使用された漁具や家船(えぶね)の模型などが展示されています。
二階が図書室になっているため学校帰りの子供たちが気軽に立ち寄れ、掲示板も可愛く工夫されています。
持ち込んだ写真の狛犬について教えていただき、フッと壁に目を止めるとなんと掲示板のチラシはイラストではなく、見事な切り絵でレイアウトされていたのです。
よく見ればドアやチラシにもさりげなく作品があって、これはすべて中村さんが作ったものだそうで、歴史以外に新たな彼女のすごさを再発見。
「大学の学園祭で切り絵の作品を制作したのがきっかけです。紙とカッターがあれば誰でも気軽にできますよ。」
とのことですが、いやいや!ここまでの作品の完成度には彼女のセンスと集中力のなせる業です。
前もって作品を見せていただいたのですがどれも素敵で、これはいつか作品展を開いてもらいたいものばかり。なので、今回は私だけたっぷり見せていただきました。
その中でも特に写真の折鶴は、紙を切り抜いてから慎重に折ったもので、実物をみなさんにもぜひ見ていただきたい素晴らしいものでした。
実は彼女のお父様は美術の先生。
普段の生活の中で子供のころから芸術や歴史に触れられる環境だったので自然に学芸員の道を選んだそうです。
西海市の歴史で自分の知的好奇をくすぐられてみよう!
中村さんに、これから西海市でやりたいことを尋ねると、
「狛犬を調べていくうちに新たな謎ができたので、それをもっと深く調べていきたい」
「学生時代は書物での調べ物だったけど、ここでは実際に場所を訪れ、聞き取り調査をしたりするフィールドワークができて楽しいです」
と、素敵な笑顔で語ってくれました。
新たな調査報告の発表が今から待ち遠しい私です。
中村さんはわたしたちの知らない西海市のたのしみかたを知っています。
西海市では歴史に興味を持った市民のみなさんに向けて『ふるさと発見講座』や子供たちも参加しやすい土曜学習プログラム『ふるさと体験発見コース』などを開催しています。
まずは参加してみてください。どっぷりハマってしまうかもしれません。
中村さんに西海市の良さと自分の中に眠っている好奇心を揺り起こしてもらうのもいいかもしれないですよ。
いつもの道にこんな歴史があったとか、地名にはこんな意味があったとか身近なところの歴史のかけらをちょっと知ってる。それだけでも、西海市を友達に案内する楽しみがぐっとアップすること間違いなしです。
西海市には知れば知るほど人に教えたくなるトリビアがいっぱいあります。中村さんとの出会いは私の中で新しいものの見方を教わった素敵なものになりました。
暖かくなってきたことですし、気軽に大瀬戸歴史民俗資料館の学芸員中村綾乃さんを訪ねてみませんか?
電話番号 0959-37-0267
大瀬戸歴史民俗資料館 西海市大瀬戸瀬戸西浜郷61-1
休館日 月曜日・祝日
nagasaki-bunkanet.jp/institution/西海市大瀬戸町歴史民俗資料館