こんにちは、ばりぐっど編集部のめーたんです。
ある日、わが家の子どもたちが「特別支援学校設置に関するアンケート調査協力について」という用紙を持ち帰ってきました。
「現在、西海市内には特別支援学校(小学校、中学校)がなく、市内で通学できる特別支援学校を必要としているお母さんや子どもたちがいる」という現状をこの時に初めて知ったわたくし。
これはもっと多くの人に知ってほしいことだと思い、「西海市に特別支援学校を設置する会」のお二人にお話を伺いました!
Contents
特別支援学校とは?
「障害のある幼児児童生徒に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする学校。
(*文部科学省HPよりhttps://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/tokubetu/002.htm)
西海市内の現状
ーー西海市内の特別支援学校(以下、支援学校)について教えてください
西海市内の支援学校は、大瀬戸町にある長崎県立西彼杵高等学校に「鶴南特別支援学校 高等部・西彼杵分教室」が平成28年4月に開設されましたが、小・中学校はまだありません。
子どもたちは、地元である西海市で学びたいという気持ちがあるのに、西海市内には通学できる小・中学校の支援学校がないため、毎朝、お母さんたちが川棚や時津の支援学校へ送り、夕方に迎えに行くことを続けています。
ーー遠くの学校に毎日送迎するのはとても大変ですね。
わが子のことなのでお母さんたちも一生懸命ですが、就労面でもフルタイムで働きたい、働ける能力があるのに子どもの送迎のためにパートしかできないなど、選択の幅が狭まっています。
また、遠方の学校になると、通学が難しいため寄宿舎に入らざるを得なくなり、家族と離れ離れになるケースや、支援学校がある地域へ移住するご家族もいらっしゃいます。
西海市内に特別支援学校を設置するために
こういった現状を踏まえ、西海市内にも支援学校(小・中学校)を設置しようと、「西海市に特別支援学校を設置する会(以下:設置する会)」が2020年4月に設置されました。
代表の草野さんと事務局の廣畝さんをはじめ、スタッフさんたちと共にボランティアで活動されています。西海市と県の教育委員会への働きかけ、会での話し合い、アンケート調査などを行っています。
地元で育てることの大切さ
代表・草野恵子(くさの・けいこ)さん
第三子を出産後、まもなくダウン症であると診断される。「療育を考える会」に参加するようになり、悩みを抱えるお母さんたちと共に笑い涙し、さまざまな経験を乗り越え、現在は市内への特別支援学校小中学部設置を目指し、設立する会の代表を務める。
「子どもたちが地元で、切磋琢磨できるお友達と一緒に学んでいける場所を作ってあげたいというのが、長年のお母さんたちの思いです。
私たちよりも、もっとご苦労されていた先輩お母さんたちが、私たちの子どもが当てはまるときに『西海市療育支援センター陽だまり』を作ってくださったんです。それで、今度は私たちが恩返しというか、次のお母さんたちに繋がるように、支援学校設置の力になれたらと、みなさんの力をお借りして活動させてもらっています」
事務局・廣畝耕一(ひろせ・こういち)さん
社会福祉法人三恵会 西海市療育支援相談センター陽だまり管理者として、児童発達支援・放課後等デイサービスに携わる。
「支援学校の子どもたちは、住んでいる家の近くに同級生がいても、学校が地区外なので放課後など一緒に遊べないんです。平日は、放課後デイサービスや福祉施設に行きますが、土日や長期休暇の時は、その子が地域で孤立するんですよね。
小学校では同級生だったけど、中学校ではもう友達ではない。ちょっと壁ができてしまう。だから、友達と遊べずにすごく孤独感があるんです。
もし西海市に支援学校ができて、スクールバスを利用して少し遠い地区まで通うことになるかもしれないですけど、それでも西海市で暮らすことで大きく変わります。
あの子はあの学校へ行っているけど友達だよねというのができると、子どもたちにとってもいい影響が出るし、それが地元で育てるという大切さだと思います」
アンケートのお礼
特別支援学校設置に関するアンケート調査におきまして、みなさんお忙しい中たくさんの御回答をいただきありがとうございました。
おかげさまでたくさんの賛同のお声が集まり、みなさんからのあたたかい言葉を力に、西海市への特別支援学校設置に向けて進んで参りたいと思います。ご協力どうもありがとうございました。
代表の草野さん、事務局の廣畝さん
今回はお忙しい中、取材へのご協力ありがとうございました。
子どもたちが地元で学び、育ち合える環境が整いますように。
【お問合せ】
西海市に特別支援学校を設置する会
事務局:廣畝耕一(ひろせ・こういち)
TEL: 0959-29-7110
MAIL: hidamari@peach.ocn.ne.jp