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ウエストのおんな《梅雨空見上げる てるてる坊主~第6話~》『旧道の思い出』

ウエストのおんな、梅雨

先日、久々に実家へ行って思い出した話である。

 

実家は海近家から車で1時間と少し、近くもなければ遠くもない丁度良い距離感。それでも段々と足が遠のくものだ。

 

子どもが小さい時には毎週のように行き来していたのに、今では貴重な休みの時間は自分のために使うことにしている。

ウエストのおんな

年々老いる自分の心と体のメンテナンスに費やしているといったところ。

 

体は正直ものだ(泣)

 

さて話を戻すと、私が運転して実家へ帰る時のルートは大きく2つあり、1つはゴミゴミとした街中を通るコース。もう1つは海沿いの田舎道で信号がほぼ無いコース。

 

距離的、時間的にはゴミゴミコースの方が良いのだが、すっかり田舎の1本道に慣れてしまった私には、のんびりとストレスなく走れる田舎道コースがお似合いである。

 

いくつも山を越える田舎道コースからしばらく行けば、段々と交通量も増え賑やかになってくる。よし!あと10分!その先の橋を渡る。

 

のこり到着まであと5分!というところで地元で昔から呼ばれる『旧道(きゅうどう)』という道に右折して入って行く。

 

旧道

ウエストのおんな、旧道

ずっと昔からそう呼んでいたので、現在のメイン道路がないときに使われていた道なのかもしれない。

 

ものごころついた時からすでにメイン道路はあったので、『旧道』の由縁が本当にそうなのかは定かではないが、地元民は『旧道』と呼べばこの道の事だとわかる。

 

昔の道なので車がギリギリすれ違えるくらいの幅の狭い道で、入口には民家も沢山あるが奥に進んで行くと木が生い茂り、昼間でも薄暗く鬱蒼としている。

 

ぴえ~~~~!

 

車なら5分ほどで通り抜ける『旧道』だが、歩くとなるとかなり時間がかかるし、何しろ怖い。

 

その怖い道を中学生の時に通学路として使っていた。

 

幼稚園、小学校までは数分で行ける距離だったのに、中学校になると途端に長距離通学となった。もちろん徒歩通学である。

 

家を出てから『旧道』を通り、国道へ出てさらに歩いて学校へ。登ったり下ったり1時間弱の鍛錬遠足だ。

 

「あ~、お母さんの足を立派に鍛えあげた通学路ね!」

私の立派なふくらはぎを見て娘が言う。

 

おだまり!

ウエストのおんな

 

中学生になりたての頃は、学生かばんに分厚い教科書を鬼のように詰めて手がちぎれそうになりながら登下校していたので、足だけじゃなく知らず知らずのうちに腕も鍛え上げられた感がある・・・。

 

しかし不思議なもので月日が経つと要領も覚え体も慣れてくるものだ。

 

2年生3年生になると余裕も出てきて、学校の帰り道にみんなで小さな駄菓子屋に寄ってお菓子を買って食べたり、夏場はアイスクリームを2本買ってパクつきながら帰ったり。

 

買い食いの横行

 

国道でアイスを食べると人目があり、すぐに学校に通報されるので(笑)、ここは人気(ひとけ)のない『旧道』までアイスを隠して持って来るのが重要ミッション。

 

夏場なので、できるだけアイスが溶けないように太陽と時間との戦いでもあった。

ウエストのおんな、アイス

『旧道』を歩きながら何でもないことでずっと笑い転げ、挙句笑い過ぎてコシがぬけたり。

 

土砂降りに遭って靴の中がベシャベシャに濡れると、あんなに『濡れないように』と注意しながら歩いていたくせにカチッと別のスイッチが入り、みんな修行僧のように自ら豪雨に打たれたり。

 

もう手の付けようがない

全身ジュブジュブ

 

薄暗く鬱蒼とした地点もみんなで通れば怖くなかったし、この『旧道』を歩く1時間弱は友達と色んなことをたくさん話した思い出の場所でもある。

 

それを思えば、うちの子ども達はバス通学で、中学生の頃に至っては部活終わりはバスがないので(田舎なので本数がない)、我が家に限らず多くの親が学校までお迎えに行っていた。

 

故に学校帰りに買い食いなんてできやしないし、雨に降られてビッションションになる楽しさも経験していない。

 

なんだか可哀そう
ウエストのおんな
まぁ、ビッションションになるとずぶ濡れの靴と制服を翌日までに乾かさなければいけないという試練が待ち構えているが、あの頃の私達はみんなビッションションを選択したのだ。

 

そして泣きながら徹夜でひだスカートのひだにアイロンをかけた覚えがある。それも今となればいい思い出。

 

とはいえ・・・。

 

やっぱり海近チルドレンがビッションションで帰って来た日にゃ~ わたしゃ

 

グーでゲンコツするけどねっ

ウエストのおんな、ゲンコツ

言うこととすることが『アレ?違うじゃん!』な住子であった。

 

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