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【ウエストのおんな ≪木枯らし吹く日のちゃんこ鍋≫ 第8話】~おら東京さ行くだ~♪~

実は・・・ 帰ってきてるんです。

去年

 

「おら東京へ~出る~だ~♪」(吉幾三調で)

 

と言って、その資金を貯めるべく県外に働きにでていた長男が、約半年間の労働を経て我が家へ帰って来たのだ。

 

確かに家を出る前に「予定では2月に東京に引っ越しをする!」と高らかに宣言して行ったので、どんなものかと思っていたが、やはり彼の計画通り2月の中旬に

 

「おら東京へ~出る~だ~♪」(吉幾三調で)

 

らしい・・・。

 

半年間でおいくら万円稼いできたのかわからないが、半年くらいで引っ越し費用とアパートの契約金と、当面の生活費もろもろをゲットできたとは思えない。

 

いやこれさ、まだ冷蔵庫も洗濯機もレンジもいるじゃん。カーテンとか洗濯物干すハンガーとかお風呂の洗面器とか布団とか考えたらキリ無いくらいわんさか出てくるじゃん。

 

それを指摘すると「あ~ そう~」と確実に他人事である。

そこの細々したところまでちゃんと頭に入っているんだろうか?

 

まさか! ここでまた親のガリッガリに細くなってしまった『スネ』をカジカジかじろうと思ってやしないだろうな!!

 

もう立派な大人なんだからいくらでも

 

「おら東京へ~出る~だ~♪」(吉幾三調で)

 

で、東京と言わず地球上のどこでも行ってくれて構わないが、人に迷惑をかけちゃイカン(泣)

 

とりあえず、父と母に迷惑をかけちゃイカン(泣)・・・まぁどこまでも果てしない自由人な長男である。

それを聞いていた次男が「オイもどっか都会に行こうかなぁ」とか言うので「どうぞどうぞ!」

 

「そのかわり、それにかかる引っ越し費用から何からかんから全てまかなえる金額を稼いでから行けよ!」

 

と、釘を刺しておいた。母はヒヤヒヤである。もうかじられる『スネ』に余裕などない。

 

まぁ西海市のことを思えば、この地で生活をしてもらうのが今の西海市、将来の西海市の為になっていくのだと思うが、それを子どもに強制できないのも事実である。

 

若いうちは一度広い世界を見てもいいと思うし、私は個人的にそうするべきだと思っている。

 

だって私なんかその勇気がなくて、なんの面白みもない20代を淡々と過ごして今に至ってしまったおばちゃんな訳で。

我が家の子ども達を見ていると、「やりたい」と思うとわりとすんなり実行に移せてて、それは家族の手助けや援助があってのことで、とても幸せなことだと思う。

 

だからそのチャンスを貰えたのならキッチリものにして、苦しみも悲しみも楽しさもうれしさもこれから味わうことを人生の糧にしていただきたいものだ。

 

そして大きく心の育った人間になってから、いずれふるさとの西海市に戻って来てくれればいいんじゃないかと。

 

いや~ 戻って来たくなるような『西海市』にしないとダメだな。

 

じゃないと

 

「おら東京へ~出る~だ~♪」(吉幾三調で)

 

のまま、行ったきり戻って来ないという事態も考えられる。ひょえ~!

これから先の『西海市』がどんな風に変わっていくのかが楽しみでもあり不安でもあり。

 

あ!そういえば、話しはガラリと変わるが長男がこれまで住んでいたアパート引き上げ時の

 

恒例『トイレ掃除』が今回は無かった。

 

ちょっと残念・・・。 どんな所に住んでいたのかをチェックしたかったのに。

 

引っ越し時の大掃除とトイレ掃除は毎回のことで、やはり男子の部屋らしく、モザイクをかけないと他人様には見せられない室内である。

 

確かに退去時に業者が掃除はしてくれるし、その代金も支払ってはいるのだが、あまりにも・・・

 

あまりにも気の毒なので、トイレとお風呂の掃除は毎回やってしまうのだ(泣)

今回は残念ながら休みが合わず行けなかったが旦那の話し、やはりモザイクが絶対必要な高レベルだったらしい。

 

きっと清掃業者さんも『それ』を見てひっくり返ったであろうことを想像すると誠に不憫である。

 

「おら東京へ~出る~だ~♪」(吉幾三調で)

 

で引っ越した先のアパートもきっとすぐに危険レベルに到達すると予想される。

 

「わーい! 東京行った時、お泊りさせてもらおーっと♪」とはしゃぐ娘だが、きっと娘がお泊りできるスペースは無いと思う。

 

いわゆる『アシノフミバモナ~イ』ってやつだ。

絶対に『オシャレ男子』になんぞなれない。せっかく住所が『トウキョウ』になるのになぁ。

 

さて、『都会の絵具』に染まりに行ってしまう長男の引っ越しまでタイムリミットはあと4日。

 

今日は何を食べさせようかなぁ?

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