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【ウエストのおんな~赤とんぼと秋の黄昏刻~第5話】<長崎くんち>

『馬肥ゆる、住子も肥ゆる秋の空』

サラリと川柳を詠んでみたくなる今日この頃。

私はアラフィフパート主婦の海近住子(うみちかすみこ)、西彼在住である

 

10月である。

 

長崎の10月といえばもう『あれ』なのである。

長崎くんち!

 

『くんち』が行われる3日間の長崎市内はてんやわんや。

いや、その前からすでにてんやわんや。

年に一度のお祭りに町一帯が湧くのである。

 

あれは私がまだ人間として覚醒していない、

そう、確か2~3歳頃の話しだそうだ。

 

実家の母親が5歳年の離れた姉と2人『くんち』へ連れて行ってくれたそうな。

 

人混みの中、まだ人間として覚醒していなかった2~3歳の私は、引っ込み思案なところがあり、母親のそばにいないと怖くて動けない子どもだった。

 

しかし5年も先に覚醒済みの姉ときたら、すっかりと人間界を謳歌している様子で

どこに行っても目を離せばすぐに神隠しにあったかのごとく姿を消しては母親が血まなこで探す。といったようなことを繰り返していたようだ。

 

なのでデパートに行けば、よく館内放送で『迷子のお知らせ』をされていたという。

 

案の定、その『くんち』にお出かけした時も、何かに導かれた姉は『人混み』という名の『大海原』に自らを出港させ、そのまま姿を消したらしく

 

「もう二度と連れて行かん!」

と母親に捨て台詞を吐かせたらしい。

確かにそれから『くんち』に連れて行ってもらった記憶がない。

 

そういえば

我が家にも姉の遺伝子が見え隠れする子がいる。

 

長男である。

 

長子という共通点もさることながら、やはり同じ血がそうさせるのか

 

我が家の長男も小さい頃、よくUFOに連れ去られたかのように忽然といなくなっていた。

「あれ? いまそこにいたのに!」

「どこ行ったーーーー???」

を何回経験したことか。

 

宇宙人から体にチップを埋め込まれたのか

すぐにフラフラとどこかへ導かれてしまうのでホントに目が離せない。

 

それでもチャレンジャー海近家は、いつだったか子ども達が小さい頃

一応長崎人なんだからと『くんち』に連れて行ってやろうと無謀な試みを決行したことがあった。

 

ごった返す人混みの中に、どうしても何かに引き寄せられる長男と『だっこオバケ』と化した次男2人を「人酔いする~」と弱音を吐く旦那とで分担していざ突入。

もまれもみ散らかされて訳わからず。

あの時の教訓を全く生かすことなく、ヘロヘロで家に帰って一言。

 

「もう 連れて行かん!」

わかっていたのにこのありさま。

母親が捨て台詞を吐いた気持ちをどストライクに受け止める。

 

とにかく人混みの中で5歳児とおまけに3歳児まで見失ったら

これまたえらく大変なことになってしまう。

ウエストの中で行方不明になるレベルではない!

 

まぁ そうやって親も子どもの扱いを勉強していくのだろう。

 

そして

 

そんなこんなでまた今年も『長崎くんち』がやって来る。

「もう 連れて行かん!」と叫んだあの日から約18年。

時の経つのは早いもので、我が家の兄弟はご立派に成人されました。

 

今は「連れて行く」と言っても

「よか」と、逆に断られる立場になってしまった。

それはそれでほんのちょっぴり寂しいんだなこれが。

はーーーーーーーっ!!

 

『くんち』の話しで一人盛り上がってしもうたーー!

 

やばい このままでは『くんち』の話しで終わってしまう!

西海市なのに 長崎市の話しで終わってしまう!

西海市に嫁いで23年 知ってそうで結構知らない西海市の『祭り』

 

と、とりあえず

西海市の『祭り』を知らないとダメだな。

 

『ウエスト』で最近ハマってる1個50円のおいもパイをいただきながら、とりあえず

 

「西海大鍋まつり」をググってみよう。

 

え! 1個50円のおいもパイが3個セットになってる!

んんん~ 食欲の秋だもの!

わかりました!3個セットでいただきます!!

次回は第六話「カメムシの効能?」

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