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【ウエストのおんな~SUMMER~第3話】<梅雨が明けた!>

 

海近住子(うみちかすみこ)47歳!

西彼に住む『更の年期』がチラチラ顔を出すお年頃のアラフィフパート主婦である。

 

明けた!明けた!梅雨が明けた!

 

なんかしれ~っと梅雨明けてた!

梅雨が明けたからなのか、急にセミの声が耳につく。

セミってなんでこうも『夏感』をかもし出すのだろう。「ジージージージー」というセミの鳴き声が聞こえるとそれだけで一気に汗が吹き出る。

 

私の場合『汗が出る』とかそんなかわいいもんじゃなく、『汗が吹き出る』という表現がピッタシである。

 

 

まだ30代の頃は暑くてもなかなか汗をかけない片側通行の『毛穴』だったのに、この年になってからの『毛穴』は、めでたく全面開通したらしくどの毛穴からでも汗が吹き出るようになった。

 

それもさわやかな汗ではなく、何か・・・アラフィフ特有の汗である。

 

お年頃になるとこのような『アメージング』な身体の変化があちこちに起きるのだ。

人はそれを『更の年期』いわゆる『更年期』と呼ぶ。

 

アメージングな変化を徐々に認識しているが、私はまだ『命の母A』のお世話にはなっていない。

 

実は実家の母がごっつい更年期を経験済みで、そのツライ様子を目の当たりにしていたので自分の中で、それなりに心の準備というか、心構えというかとりあえず『お年頃だし』という思いを脳みそのどこかに引っ掛けてはいる。

 

え~っと、私の場合、毛穴の全面開通が更年期の症状かい?

 

いやいやきっとこれからが本番じゃね?

しかし『更年期』ってものは気持ちの持ちようではないかと思うのである。『更の年期』を良くするも悪くするも自分の気持ち次第なのだ。

 

少々辛くてもきつくても毎日を笑って過ごせば、『更の年期』もいつの間にか乗り越えているようなものではないだろうか。

 

やだー、今日の私いい事言うじゃん! てへっ

 

だから私は両手を広げていつでも『更の年期』を迎え入れる準備は出来ているのだ。

 

『更の年期、カモ~~~~ンッ!』

 

しかし『命の母A』にはお世話になっていないが、栄養ドリンクによく手が出るようになった。身体の衰えはキチンと進んでいるようである。

 

若い頃、年上のお姉さま達がチオビタ片手に「今はわからんやろうけど、年取ればガクっ!ってくるけんね!ガクーーーっっと!!」と言っていた事を思い出す。

わかる~ 今、存分にわかる~~

キとる~『ガクッ!』ってキとる~

 

『あざっす!さすがっす!言う通りっす!』お姉さま達の言う事に間違いはないのだ。日々ありがたく勉強させていただいている。

 

ちょいちょい栄養ドリンクのお世話になっても、さすがに夏本番の暑さにはやはりかなわなかったりする訳で、だんだんと食欲が無くなってくる。

 

食欲が無くなるということは、なんだか晩ご飯の用意も気が進まなくなるということで、一向にメニューが決まらない。

 

こんな調子でウエストに行ってもウエストジプシーするしかなく、店内をぐるぐる何周もしたところで何も解決策は見つからない。

 

 

しょうがない。こんな時には、秘儀!『私は岩』作戦を発動せねばなるまい。

 

秘儀という割には、結構な頻度で発動しているこの奥義、まず『何もしない』(私は岩)という硬い意志を持たねばならない。ここで動いてしまうと裏目に出てしまう可能性があるからだ。

 

これを使えば、買い物から料理まで、完璧に事が進むのである。

私がやることは、

 

「しもしも~ お父さん? ごめ~ん帰りにさ~ウエストで今日のおかずの材料買うてきてくれ~ん?」

「だって今日 な~んも思いつかんやったも~~~ん」と電話するだけ。

あとは旦那に気持ちよく晩ご飯を作ってもらうに徹するのみである。

 

NO WEST NO LIFE !

今日も海近家は平和である。

 

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