西海市西海町で、ちょっと変わった取り組みが始まろうとしています。
合同会社well-being・訪問看護ステーションウェルビー代表で診療看護師の伊藤健大(いとう・たけひろ)さんは、人口が減り続けるこの町で、「人と地域のつながり」と「持続可能な医療・福祉」をどう作っていくかをテーマに、10年後の未来を見据えて新たな一歩を踏み出しました。
伊藤さんが目指すのは、ただの介護の場ではなく、みんなが気軽に集まれる居場所のような「おもしろいデイサービス」です。これから伊藤さんの挑戦がどのように展開していくのか、ばりぐっど編集部でその様子を追いかけていきます。
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西海市で訪問看護を始めたのは

「これから10年後、西海市は新上五島町みたいな未来になる。幸い10年後の未来を見れたので、今のうちから何が必要なのかというのに備えられたら。」
佐世保市出身の伊藤さんは、看護師としてICUや救急の現場を経験した後、赴いた新上五島町で離島医療に携わりました。そこで加速する人口減少を目の当たりにして「人口が減っていく地域で、どうやって医療を持続させるか」という問いに出会いました。
病院に固まっている場合ではない。長崎県内の困っている地域に行った方がいいのではないか。転機は、高校の同級生である永田先生(大島ながたクリニック院長)の開業でした。
クリニックを見学に訪れた当時、西海市は人口約2万7000人に対して訪問看護ステーションが2つだけ。大島・崎戸・西海町の医療施設は少なく、在宅医療の資源も足りていない。「ここしかない!」そう決断した伊藤さんは、2022年に西海町で訪問看護ステーション・ウェルビーを始めました。
僕らだったら、ちょっとおもしろいことができるかもしれない
訪問看護に携わる中で、伊藤さんは高齢者の方が少しずつ「役割」を失っていく姿を見てきました。
「仕事をしなくなり、車の運転や買い物をしなくなり、役割がなくなっていく。社会とのつながりが薄れ、生きがいを失い、少しずつ認知症が進んで、気づいたら要介護状態になる。それから僕たちが関わることになるんです」

介護が必要な人のボリュームゾーンは、実は要支援1・2、要介護1という比較的軽度の人たち。この層は減るどころか、むしろ増えているといいます。
「この人たちがもっと元気でいられる取り組みとして、一番自由度が高いのはデイサービスだろう。」そこまでは、すぐに思い至りました。
ですが、軽度の人たちにデイサービス(通所介護)の利用を提案しても、介護施設に行くことやそこで過ごすことに抵抗を感じるのか「自分は行きたくない」と断られるケースも。
どうしたらデイサービスを利用してもらえるだろうか?少しでも魅力を感じて、利用に至るには?「僕らだったら少し違った視点で、何かおもしろいことができるかもしれない。」と考え、昨年の終わり頃から動き始めました。
どうやったら一歩踏み出せるか。頭の中が整理整頓できたのは……。

さて、「おもしろいデイサービス」とは?伊藤さんの頭の中はいろいろなアイデアでいっぱい。スタッフと「これはどうだろう、いや違う」とアイデアを出しては却下されることを繰り返します。
おじいちゃん、おばあちゃんが気軽に「行ってみようかな」と思えて、一般の人たちとも交流ができるような、みんなが笑顔になる場所にしたらどうだろう。
アイデアはあるのに頭の中がごちゃごちゃしている。そんな時に大きな転機となった「ある出来事」がありました。
伊藤さんの挑戦が動き始めた大きな転機とは!?
次回は、連載第二弾「西海市にキングコングの西野亮廣さんがやってきた」をお届けします。どうぞお楽しみに!
