午後3時の休憩時間。そろそろ晩ごはんのメニューを考える時間になった。
しかし結局その休憩時間内に決めることができず、またまた『ウエストジプシー』をするハメとなる。
スーパーウエストの入口を入って左から攻める『若者まわり』は相変わらず健在。50才になっても『おばちゃんまわり』には抵抗がある(笑)
とか言っているうちに、乳製品コーナー・お魚コーナー・豆腐、練り物コーナーを通過。最後の青果コーナーまでやって来てしまったではないか!!
カゴの中は
空っぽっぽっぽ
メニューを何も考えつかない日は、店内を何周してもやはり考えつかない。
時間だけが過ぎ、店内を1周、2周、3週する頃には、きっと私の顔は
般若
だって時間は過ぎるし、メニューは決まらんし。イライラはMAX。
心の中で般若が乱舞
『怒りの舞い』を舞う般若の住子。
そこでふと、惣菜コーナーの「サツマイモの天ぷら」が目に入った。
Oh! テンプ~ラ♡
おかげ様で『怒りの舞い』は収まり、本日のメニューは『天ぷら』に無事決定。
メニューが決まらない日は本当に憂鬱である。
さて、我が家の天ぷらといえば、もちろん『偏食王子』の次男がいるので、苦手な魚介類はほぼ出さず野菜中心となる。
その中でもメインは『いも』と『かぼちゃ』。私も次男も大好きな根菜である。
焼き芋やかぼちゃの煮つけも大好きなのだ。
そこでずっとずっと日本国民全員が私達と同じだと思っていたことが、そうではないということを初めて知ったことがある。
それは・・・
『ホクホク系』と
『ねっとり系』
この2つの好みの違いである。
我が家は根っからの『ねっとり大好き党』で、焼き芋は中身がねっとりしているものが好き!かぼちゃの煮物もねちゃねちゃしているものを良しとする。
『煮物は煮崩れてなんぼのもんじゃ~!』と思っているのでかぼちゃの煮物を作るときには緊張感がある。
作ってみないとそのかぼちゃが『ホクホク系』なのか『ねっとり系』なのかが分からないからである。
出来上がった煮つけを試しに食べてみる。その箸の入り具合で「よし!!」となるか、「失敗か・・・」となるかおおよその判断ができる。
力を入れずとも、スッと箸がかぼちゃを貫通するとセーフ。
「これだけ煮てんのに硬~~っ!!」というものは、その時点で「なんだ『ホクホク系』じゃん・・・」となる。
硬い食感のかぼちゃや芋類はコクコクした歯ざわり、そして口の中の水分を持って行かれてモソモソするところがどうもダメっぽい。
なので私は口に入れると咬まなくてもいいくらいの離乳食のような柔らかさ。そのうえ味が中までしみしみにしみ込んでいる『ねっとり系』をどうしても求めてしまう。
しかし10年ほど前、今の仕事の前に勤めていた職場のお昼休みでの出来事。
20代半ばの職員の女の子が「海近さ~ん、かぼちゃの煮物食べません?私お腹いっぱいで食べれないんで。美味しいから食べてくださ~い♡」と言ってきた。
美味しい=ねっとり系
の私。もちろん世の中の人、全部そうだと思っていた。が!しかし!
この日にそれは間違いだったと身をもって理解したのだった。
彼女のお弁当箱から取り出された、銀色のカップの中の薄い黄色い塊。
そして姿を見た瞬間、分かってしまった。
ガッチリとしたフォルム
1㎜も崩れていないフォルム
間違いなく『ホクホク系』だ・・・。
「ありがとう、いただきます」そう言って箸で摘まむと『ふん、箸で突いたくらいじゃ、あたしゃ崩れないよ!』と言わんばかりの力強さ。
私が求めているものは『ねっとり系』なのに・・・
「どうぞどうぞ食べてください!うちのお母さんがつくる煮物美味しいんですよ~」 彼女が激推ししてくるそのかぼちゃを意を決して口に入れた。
やっぱ硬いじゃん~、ホクホク系じゃん~、水分持って行かれるじゃん~・・・そして~
味が無いじゃん~
「美味しいでしょ~?」と満面の笑みで問う彼女に「美味しくないです~(泣)」などと鬼のようなことは言えない。
で、気がついた。私が美味しいと思うものと、彼女が美味しいと思うものは違うのではないかと。
私が大好きなねっとりかぼちゃは、彼女は嫌いかもしれない。濃い目の味つけより、野菜本来の味を大切にした薄い味つけが好きなのかもしれない。
誰もが同じ好みではないということに気づいた。
え?今頃?
はい、今頃
それからは『ホクホク系』のかぼちゃも受け入れるようになった住子である。大人になりました。
でもどうしても旦那が作る野菜ゴロゴロのカレーやシチューは、いくら「オイは野菜ゴロゴロが好きなんじゃ~!」と言ったところで、私と次男の2人で全力の阻止。
身内は別なのよね(笑)
※前回の『ウエ女』はお願いごとがある時だけ『神頼み』や『ゲン担ぎ』するという住子のばちあたりなお話でした(笑)あははははははは