前編でお届けした、saikai spacy(サイカイスペイシー)のビフォー&アフター編、お楽しみいただけたでしょうか?

後編では、代表である竹口健一郎氏に、saikai spacyについて、地域への思いや、今後の展望などについてインタビューしました!

 

プロフィール

竹口健一郎(たけぐち・けんいちろう):saikai spacy代表

1979年生まれ。大瀬戸町出身、妻と3人の子どもと大瀬戸町に在住。福岡教育大学を卒業後、福岡市内で小学校教員として13年間勤務し、学生時代から続けていた音楽の活動も行っていた。

平成24年に西海市へUターン、2年間は小学校へ勤務したが、地元の良さと課題を感じ、地域再生に力を入れるために新しい道へ。現在、地域の特性を活かせるコミュニティのあり方を模索中。

 

 

|そもそも、saikai spacyってどんなところ?

 

地域で大人が行動を起こすきっかけになる場所

  

 ―saikai spacyを作ったのはどういう思いから?

 

学校教員だった立場ではありますが、じつは学校から宿題をなくしたいんです。大人から与えられた課題を勉強させられるのではなく、子どもたちが自主的に勉強できるためには、興味があることを学ぶ機会や場所が必要で、そういう環境を作りたいなって。

子どもたちの周りにいる大人が好奇心を持って、自発的に動いている状態だと、子どもたちも自然とそうなるのではないかと思い、まずは大人が楽しめる場所を作ろうと考えました。

 

 

 ―子どもたちではなく、まずは大人が楽しめる場所を作ろうと考えられたのですね。

 

あまりこっち(大人)の価値観を押しつけたくないので。

例えば、子どもにとって一番身近な大人である親が自発的に動いて、その姿を見た子どもが真似をする。それから、子どもたち自身にそれぞれの価値観を作ってほしいです。

これから教育スタイルもどんどん変わって新しくなるので、ぼくらはそこにつなげていきたいですね。

 

自分の力で世の中を変えるとか、大きなことはできないし、じゃあなんか世の中をおもしろくできる人が行動を起こしていく、きっかけの場所になったらと、そういう環境づくりを意識しました。

小学校の教室もそうです、環境づくりですからね。楽しい教室づくりに似ているかな。

 

 

|子どもがあこがれる大人になりたい

 

 ―小学校教諭の経歴をお持ちですが、ご自身の経験から見た教育現場はどうでしたか?

 

事務作業が多いんですよ。宿題のまるつけが大変でした。先生たちも、本当はもっと目の前の子どもと向き合いたいのに、そういう状態じゃなくなってきた。

教員をやっていても、子どもたちと向き合うことの難しさを感じました。自由にできるのがいいなって。

 

 ―竹口さんは、子どもたちと向き合うことも大切にされているのですね。

 

子どもがあこがれる大人になりたいなって、そう思われる大人が増えればいい。すでにそういう大人もいますけどね。

誰かにとってのかっこいい大人を増やしていくこと、そして、そういう人たちに触れる機会をつくることが、saikai spacyのあり方の1つかなって。ハブ(*人がつながる拠点)になればいいんです。

 

 

 

|saikai spacyの使い方について

 

 ―ここを利用したいときはどうしたらいいですか?

 

平日は、西海クリエイティブカンパニー(*西海市の地域商社)のサテライトオフィスとして使われています。

今のところは、利用したい人を募集するつもりはなく、土日であれば要相談で。まずは、つながって共感するところがあればどうぞ、という感じですね。まずはお問い合わせください。

 

 

 ―saikai spacyでできることは?

 

西海市にはものづくりをする人が多い。その人がフリマをどこかでやるのではなくて、ここで一日やってみるとか。

もちろん、会議やイベント、ワークショップでも使うことができます。逆に「こういうことやってみたい!」って、アイデアを聞きたいです。

 

 

 

|地域の中に学びの出口をつくること

 

 ―竹口さんの今後の展望について教えてください

 

僕の仕事のテーマというか、やっていきたいことは「地域の中に学びの出口をつくること」何かインプットしたらアウトプットしたいでしょ、それが経験になるので。

学校がそのミッションをすべてやっていて、学校内で学びが完結してしまっているのが現状。学校で学んだことを地域で実践する、それで失敗したら学校で学びなおして知識を得て、地域社会の中でスキルを身につけていく。そういう町にしたいですね。

 

 

 ―その取り組みとして、気軽に読書や趣味を楽しむ「みんなの本棚プロジェクト」や、小中学生を対象に、経済の仕組みを肌で感じてもらう「子ども商い塾」もあるのですね。(*下記で関連記事2本紹介)

 

大瀬戸の新しいスタイルのイベント『ブックカフェ』/大瀬戸支局

あ〜お腹いっぱい!美味しさと楽しさ満載!!大盛況の「第9回・西海大鍋まつり」レポート

 

こういうことは、あと10年ぐらいしかできないですけどね。僕の子どもたちが大きくなるから。そしたら興味がまた違うところへ向くと思います。

 

 ―三児のパパである竹口さんは、今のライフスタイルや家族構成によって、何がしたいのか、必要なのかっていうところに意識を向けていらっしゃる。だから今は、子どもたちが学校へ行って学んできたことを、実践できる地域づくりに取り組んでいるのですね。

 

そうなんですよね、やっぱり家族。一番近いところに目を向けているのでしょうね。

 

  

 ―コミュニティづくりで大事にしていることは? 

 

大枠を外れないよう、デザインしていくことを大事にしながらも、「自分がこうしたい、こう作る」のではなく、いろんな人と関わりながらみんなでコミュニティをクリエイトしていく感じですね。saikai spacyも、人との関わりの中で育っていく場所になっていくと思います。

 

 ―竹口さん、今回インタビューへご協力いただき、ありがとうございました!

 

 

|あとがき

地域の特性にマッチしたイベント開催、大人も子どもも楽しみながら地域のことに触れて学ぶ場、空間づくり、環境をコーディネートする竹口さん。今回の取材で、大人も子どもも自由にコミュニケーションを楽しみ、物事を創造していくことを応援したいという、竹口さんの熱い思いが伝わりました。

生まれ育った地元、家族への思いにあふれる地域のコミュニティリーダーとして、竹口さんのこれからの活躍に期待が高まります!

 

 

|お問い合せ

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