西海発のAI「文字起こしばりぐっどくん」「外国語ペラペラばりぐっどくん」のリリースの裏話、第2話です。全くのプログラミング初心者が8か月の勉強期間を経てAIばりぐっどくんの開発に至るまでを、開発者本人に取材しました。
さて前回、プログラミングスクールで6か月の間必死に勉強した宮里さん。卒業後にやろうとしたこととは?
この知識を必ず仕事に結びつけることを決意
【ステップ2】プログラミングを仕事にしてしまう
宮里さんは、特に技術を得た手ごたえを感じているわけでもなかったし、何をすればいいかわからなかったといいます。
でも、すぐに転機が訪れることに。
宮里さん(以下敬称略)「たまたまなんですけど、その時期に九州工業大学と組んでAIを作るプロジェクトがあったんです。そこで教授やエンジニアの学生さんと一緒に仕事をしたんですね」
そこで、再びプログラミングへの復讐心……いや、モチベーションが湧いてきたようです。
宮里「そのとき最初に『僕もプログラミングやってました』ってG’s Academyで作ったアプリを見せたんです。そうしたら思いのほか反応がよくて、『スゲー!』みたいになったんです」
そこで、後には引けなくなったと語る宮里さん。
宮里「AIプロジェクトの担当なのに技術がわかってないって思われるのがすごくイヤで、もう一度勉強しました。プライドを保つために(笑)」
そして勉強として、また自分でアプリを開発しようと思ったそうです。そこで意識したのが「すぐ作れて、『スゲー!』と思えるもの」。
そんなムシの良い話が、と思いますよね。でもできたそうです!
APIは大豆の水煮!簡単にスゴいアプリを作れた
アプリ開発に際して、実はプログラムを書くだけが手段ではありません。簡単に利用できる「API」というものがあります。これは、過去に誰かが開発したプログラムが、他の人でも使えるように公開されているものです。アプリ開発を夕飯作りに例えるなら、APIは、大豆の水煮などの半調理済食品といったところでしょうか。あれを使えば煮物やサラダというおかずがすぐにできますよね。
宮里「すぐ作れるようにAPIを利用して作ったのが文字起こしばりぐっどくんでした。LINEで使えるようにすれば、画面デザインとかもしなくていいし。
始めは公開するつもりもなくて、西海市の企業とかだけで使おうと思っていました。でも、これがまた『スゲー!』ってなったんですよね。評判が良かった」
そして、一般公開することにしたそうです。するとなんと一気にネットで話題となり、文字起こしばりぐっどくんの友達登録数がうなぎのぼりだったとのこと。
宮里「ぐんぐん友達登録数が増えて、初めはヤッター!と思いましたが、増えすぎてサーバーが止まってしまった。それはもう恐怖!でした」
アプリの利用者が増えてサーバーの稼働容量を上回ってしまい、アプリが動かなくなってしまったのです。たくさんのユーザーから文句が来て会社ごと炎上するのでは……と恐怖に震えながら緊急対応したといいます。
そんな対応の速さもあって、無事復活した文字起こしばりぐっどくん。その後も順調にユーザー数を伸ばしています。
宮里「トラブルもありましたが、文字起こしばりぐっどくんは成功したなと思いました。作ったのは僕ですが、結局APIを利用して簡単に作っただけ。もともとのプログラムは専門のスゴい人がもう書いてくれているわけです。(編集部注:「料理のプロが大豆を煮てくれているわけです」と同義。)
でも、どんなにスゴいプログラムでも使われなきゃ意味がないですよね。だから僕は使いやすさを提供することにこだわりたい」
こうして宮里さんは、ばりぐっどくんというキャラクターが何かをしてくれるというシリーズを思いついたそうです。
其の参(最終話)へ続く。
●本日のまとめ
AIばりぐっどくん開発へのステップ2→→仕事にすることで、やらざるを得ない環境に身を置く
第3話はこちら↓
其の参・「地方に住む人こそプログラミング」!? 未経験者から学習期間8ヶ月で、50,000人ユーザーのLINEアプリを開発した勉強方法の公開<3>
第1話はこちら↓
「地方に住む人こそプログラミング」!? 未経験者から学習期間8ヶ月で、50,000人ユーザーのLINEアプリを開発した勉強方法の公開<1>
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