なんだかこれからちょっと天気が悪いような予報が出ていた。
梅雨と一緒で2~3日の雨なら何とか我慢もする。しかしそれが長引いてくると、徐々に洗濯物が溜まっていくのだ。
脱衣かごからそれぞれのご主人様の汗をたっぷり含んだ『汚れもの』が溢れ返る。旦那の靴下なんかは普段革靴着用なので、かなりムレるのだろう。
群を抜く凄まじいカホリで、我々の鼻は直角に曲がってしまう。
もちろん、靴下がクサイということは、足もクサイという訳で、晩ごはんに『納豆』を出したりしたら、「納豆?」「足?」「納豆?」「足?」「どっち~?」
納豆のニオイか足のニオイか、どっちかわからん!
納豆のニオイと足の臭さが同じだなんて、甚だ納豆に失礼な話である。旦那はそこを指摘されてから、仕事から帰って来ると、そのまま風呂場に直行するようになった。
やればできる子である。
おかげ様で、納豆のニオイと旦那の足のニオイは区別がつくようになった。
それでも納豆臭のする旦那の靴下は、今日も生まれ、大量の洗濯物は結局そのまま、いつ洗濯して干そうかとタイミングをずっと伺っている状況なのだ。
しかし、もうそろそろ手を打たねば、お風呂のタオルが底を尽きる。
少しでも乾いてくれると、我が家の小さな家庭用乾燥機で最後の仕上げができ、フワフワふんわりのタオルをしまえるのに、天気が悪いと何時間外に干しても、干した時と同じコンディションでブラブラぶら下がっている。
このときの失望感は計り知れない。
こうなってくると、私の心の声が少しずつ少しずつ、お口からこぼれてくるようになる。
その壱 なんで服を脱ぐとき、クルンとひっくり返して脱ぐのか!旦那も次男も、脱いだ服を見ると、裏側のタグが付いている方が表向きになっている。
そう、私が大嫌いな
『ひっくり返し脱ぎ』である!
何がイヤって、洗濯して干した後、取り込んで畳む時にまた表にクルンと返さなくてはならない。
あれやこれやクソ忙しいのに、いらないひと手間である。
どうして脱ぐときに、そのままソロリと脱げないのか。
虫でも蛇でも脱皮するとき、キレイにそのまま脱いでるじゃん!
見習って欲しいわ。
その弐 その日の天気予報を見て乾きそうだからと、せっせと洗濯をし、干して出勤した私。
夕方、やっと洗濯物が片付いたと思い、ホクホクで帰って来た私の目に映ったものは、朝となんら変わりなくブラブラぶら下がる洗濯物たち。
旦那も次男も休みやったろがー!
なして入れてくれんかったとかー!
西彼弁丸出しである。そりゃみんな仕事なら何も文句は言いません。言えません。しかし、休みじゃん。おたくら休みだったじゃん。
そんな日の晩ごはんのおかずは1品である。そこに怒りの度合いが反映されるのだ。
『ひっくり返し脱ぎ』に関しての措置としては、
『目には目を歯には歯を』作戦の断行である!
ついつい『ひっくり返し』を『ひっくり返し』していた私が甘かった。これからは『ひっくり返し』には『ひっくり返し』で対抗する。
脱ぎ捨てたそのままを洗濯し、干し、そのままを畳み、タンスに仕舞う。
「さて、着替えよう」とタンスから取り出すと『ひっくり返し』のシャツが出て来る。旦那は自分で『ひっくり返し』を『ひっくり返し』して着ることになる。
ふっふっふ
そういえば洗濯物といえば、最近私の努力が実を結びつつある。
なんと旦那が洗濯物を畳む技術を習得してきたのだ!
素晴らしく喜ばしいことである。
おっと!洗濯物といっても彼の技術で畳むことが出来るのは『タオル』のみ。
タオルはかくかく四角形。パタンパタンと畳むだけ。しかし我が家のタオルは、フェイスタオル、バスタオル、スポーツタオルにトイレのタオル、そして私が職場で使う汗拭きタオルと、全て畳み方が違う。
まずは、どのタオルがフェイスタオルかトイレのタオルか私の汗拭きタオルかの種類を覚えるのにかなりの時間を費やした。そしてそのタオル別の畳み方をも習得しなければならない。
「それ私の汗拭きタオルって!なんでトイレタオル畳みした?」「それフェイスタオルって!なんでスポーツタオル畳み?」
旦那は厳しい住子の指導の元、なんとか『タオル畳み見習い』まで進んだ。まだまだ見習いレベルである。トイレのタオルは水玉柄だと何度も教えるのに、全く違う柄をトイレタオル畳みする。
かなり手強い
まぁ違う畳み方をしても、旦那が畳んだあとの注意はいたしません。せっかく畳んでいただいたので、そっと畳みなおして、定位置に仕舞います。
その代わり、しばらくは『見習い』で頑張ってもらうことになるだろう。
これがいつタオルオンリーから、服を畳めるようになるのか、せめてもう1段階ステップアップして、自分のおパンツくらいは畳めるようになっていただきたい。
更なるステップアップが待ち遠しい限りである。
あと『ひっくり返し脱ぎ』の件について、畳んでいただけるのは非常にありがたいが、これはこれそれはそれはで、『ひっくり返し脱ぎ』の措置は計画通りに遂行させていただく。
そう、『目には目を歯には歯を』
『ひっくり返しにはひっくり返しを』である!
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