海近住子(うみちかすみこ)47歳!

西彼に住む『更の年期』がチラチラ顔を出すお年頃のアラフィフパート主婦である。

 

さあ2学期へのカウントダウンが始まった!

 

お子様たちの夏休みの宿題はお済みだろうか?

なるほど、あちらこちらから母たちの悲痛な叫び声が聞こえる。

 

だって子どもたちは夏休み最後の最後まで、

サマーバケーションなのだから。

今はその様子をはたから見物させていただいているが私は長男が小6の時に、

『夏休み・死の2日間戦争』を経験した。

 

そう、あれは10年ほど前の残暑厳しい8月末のこと

始業式を数日後に控え、子ども達にきっともう終わっているはずの夏休みの宿題の進行状態を確認した。

 

2年生の娘、4年生の次男2人は私の監視のもと宿題をやらせていたので、バッチリ把握は出来ている。

 

問題は長男で、6年生のチラチラ反抗期が顔を出すお年頃ということもあり、触れず当たらず本人に任せていた。

 

いよいよ学校も始まるし、ここで探りを入れてみたのだ。

 

夏休みの宿題リストが書かれたプリントを探し出し、恐る恐るそのプリントを開いてみた。

 

怖いなぁ 怖いなぁ・・・

きぇぇぇぇええぇぇ~!

 

稲川淳二の怪談並みの恐怖が襲う。

 

私は勇気を振り絞り一つ一つ宿題を確認していった。

 

「なんだ、ほとんど出来てるじゃん、まじビビった~」

 

喜んだのも束の間、

 

『自学』の欄に『6年生の漢字を(100字ノート)に1日1ページ』とある!

 

こいつ『ラスボス』最後に残しやがったな!

 

嫌なことは100%ガン無視の戌年てんびん座のO型男子!

相当なツワモノである。そう簡単にこちらの思い通りにならない平成男子だ!

 

『漢字』を書くということは、算数のように答えを丸写しするとかのズルでは決してクリアできない。

コツコツ地道に『書く』しか方法はない。長男が1番嫌うパターンの宿題だ。

 

夏休み1日1ページ、ざざっと40ページだろうか。

ところが「200字のノートなら半分で済むけん楽勝~!ノート買ってきて~」

 

お? マジですか? やる気になられました?ステキー!

 

まだ数日の猶予がある。おだて散らかして今からやればどうにか始業式までには間に合う計算だ。

 

頑張りましょ~!

 

って、やらないじゃん・・・。

まぁ そうだろうねツワモノ平成男子。

重い腰を無理矢理あげていただいたのがリミット2日前。

彼の1日のスケジュールはソフトボールの練習とゲームと睡眠が大部分で、そこにどう漢字の宿題をねじ込むかが思案どころ。

しかし彼の気まぐれなペースを考えると、徹夜になるのは確定!

 

トホホホホ

 

長男がしたためるその文字は、魂の思うままに書くもので素人の私なんかは何と書いてあるか到底理解できないほどの達筆である。

 

世間ではそれを『ミミズのほうたごたる字』というらしい。

 

その魂の文字が、200字漢字ノートの小さな小さなあのマスの中に納まるのだろうか?

 

母は小さなマスからミミズがはみ出ないように監視しなくてはならない。

 

宿題をしたくない長男とさせたい私との2日間戦争勃発!

目を離せばすぐ指の運動始まるし、あ!ゲームの事ね。

瞑想始まるし、あ!居眠りの事ね。

 

母はこの戦いに負ける訳にはいかない!キッチリ耳を揃えて9月1日に宿題を提出させることが小学校までの母親の使命だと思っているからだ。

 

 

不機嫌になる長男をなだめながら、自分のイライラを押し殺す。

辛い駆け引きが続く。いつ終焉を迎えるのか先が見えない不安が私を襲う。

ミミズは全然進まないし、眠いしで今にもくじけそうだ。

 

あああ 精神的にやられる~ まぶたが閉じる~ ミミズがはみ出る~ 寝るな息子~

・・・・・・・

 

そして9月1日の朝、2日間の死闘の末、老婆になった母とミイラになった長男、そしてミミズの這い回った漢字ノートがそこにあった。

 

私は長男との壮絶な戦いに勝ったのだ。しかしその代償も大きかった。

 

「しもしも~ お父さん? 帰りにさ~ウエストでコンブとチーズと納豆買うてきてくれ~ん?」

 

あれから白髪のハンパなか思うたら、あの時老婆になったけんよ!だけんググったさ!白髪予防の食品。

NO WEST NO LIFE !

今日も海近家は平和である。