『ゾワドキワク感』と遠距離恋愛
私は海近住子(うみちかすみこ)西海アラフィフパート主婦である。
むかしむかしのその昔、独身時代の私は人混みが大好きだった。
パトリエ21(懐かしっ)のセール、浜んまちのアーケード街、とにかく人が集うところならばどこでも!
人で溢れかえっているような、その賑やかな雰囲気が好きで好きでたまらない!。
心が『ゾワゾワドキドキワクワク』してしょうがない!
人混みに揉まれた日には『ゾワドキワク感』で、もうアドレナリンが
ジャンジャンバリバリ ジャンジャンバリバリ大放出!
ワクワクが止まらない!ワクワクが止まらない!ワクワクが止まらないー!
あの頃、鈴木奈々がいたら絶対に3回叫んでいただろう。
なので、どこかに出かけてちょっと混んでたりすると、旦那が
「人ん多かぁ・・・人酔いすっばい 」の
『人酔い』とは何ぞや?
私にとって、長い間それは謎であった。
「君はあの人並みを見て興奮しないのかい? 人混みの中にダイブしたいと思わないのかい? 心の中で『ワクワクが止まらない!』と鈴木奈々が3回叫ばないのかい?」
思わないらしい。
またまたまたいやいやいや そんなことないだろう!なんでわからないかな~
この心のゾワゾワ感、ドキドキ感、ワクワク感!
しかし西彼に嫁いでからは、あの頃のように毎日人の中に埋もれることができなくなり、その『ゾワドキワク感』と知らず知らずのうちに少し距離ができてしまったように思う。
それからアラフィフと呼ばれる年齢になり、ふと私は気付いた。
あれ?いつからだろう なんだか大好きな人混みがちょっと苦手になってはしないか?
あの頃のように『ワクワクが止まらない!』を3回どころか1回も言えなくなっているではないのか?
『ゾワドキワク感』と私は『遠距離恋愛』の末に、自然消滅してしまったカップルのようだ。
あんなに好きだった『ゾワドキワク感』。
あの頃毎日『ゾワドキワク感』を感じる事ができたのに、それが出来なくなった距離と時間が、私と『ゾワドキワク感』を引き離してしまったのだ。
時津の日並にショッピングスポットが出来たときも、
先月、長与のイオンタウンがオープンした時も
「まだまだ行かれん! 人の多かけん!」
私が大好きな『ゾワドキワク感』に放ったひとことだった。
人混みが大好きだと言っていた私が、人の群れに飛び込みたいと言っていたこの私が、あろうことに
『人の多かけん、行かん』とか言うた?
きっと私は『ゾワドキワク感』をすごく傷つけてしまったに違いない。
残酷なひとことだっただろう。
あれほど一途に思いを募らせていたにも関わらず、長い年月の中で私は心変わりをしてしまった。
でもごめんなさい。もう、あの頃には戻れないの。
これから「人酔いする~」と言ってるどこかの旦那(あ!うちか!)と仲良く
「人酔いする~」
と、連呼しながら人混みを避けて生きて行くのだろう。
まぁ、お年頃になってきて、何もないところでつまづくし、ちょっとの段差でも足上がってないし、距離感掴めず壁に肩ぶつけるし、老眼やし。
神様が「お前もだんだん落ち着けよ」と警告してくれたのだろう。
『ゾワドキワク感』を感じることはなくなっても
スーパーウエストがいてくれる。それで十分。
そんな私を今日もスーパーウエストは優しく受け入れてくれる。(「ウエストのおんな〜西彼在住アラフィフ主婦とその日常〜」おしまい)
(みちより「ウエストのおんな」を読んでいただいた皆様へお礼)
今回を持ちまして【ウエストのおんな~西彼在住アラフィフ主婦とその日常~】は最終回となります。短い間ではありましたがご愛読いただき、ありがとうございました。
地元のアットホーム感あふれるスーパーウエスト、アラフィフパートの住子を通して、色々な”西彼あるある”をみなさんと楽しく共有できたのであれば、とても嬉しく思います。
そしてそして、来月からはまた別連載が始まりますのでこちらもお楽しみに!!