こんにちは!ばりぐっど編集部めーたんです。
みなさん、突然ですがスマート農業という言葉を聞いたことがありますか?
スマートって、すらりとして格好がよいさまだったり、賢い、気が利いたなどの意味で使うことが多い言葉ですが、他にも「電子機器が組み込まれた、ハイテクであるさま」という意味もあるんです。
つまり、スマート農業とはハイテク技術が導入された農業のことで、農作業の省力化や作業負担の軽減、人手の確保や栽培技術の継承などが期待できる最先端の農業技術のことをいいます。
2020年12月中旬、スマート農業の1つである産業用マルチローター(以下:農業用散布ドローン)のオペレーター教習が西海市西彼町で行われました!
ドローンは、空撮や測量、インフラの点検に使用される無人航空機として知られていますが、農業用散布ドローンは農薬を散布するためのものです。
そして、農業用散布ドローンを操作するには国土交通省管理団体などの指定を受けた機関で教習を受け、試験に合格して初めて認定オペレーターとして操作ができるようになります。
今回、このオペレーター教習を受講したのは西彼町在住の農業従事者など男女4名。じつは私も受講者の1人でありながら、教習の様子も取材してきました!
教習ではどんなことをやるの?
教習は5日間連続で行われ、学科講習と実技教習、そして最後に筆記試験と実技試験があります。(*すでに類似の資格がある人は日程短縮の場合もあります)
初日はテキストを使っての学科講習です。西彼町にある長崎西彼農業組合西彼支店の2階会議室にて行われました。
先生は、熊本にあるグリーンテック株式会社スカイテック営業所より、ドローン指導のプロ中のプロである田上栄蔵さん(左から2番目)。
講習内容は、農業用散布ドローンについて、空中散布に関する法令、航空法、農薬取締法などや、オペレーターとしての心構え、機体に関する基礎知識、安全飛行のことなど、丸一日をかけてみっちり。
最終日に筆記試験もあるということで、みなさん多少緊張しつつ、田上先生がポイントを抑えながらわかりやすく教えてくださり、気軽に質問もできる雰囲気で楽しく学ぶことができました!
実技教習のようす!
実技教習は西彼町中山郷のとある圃場(ほじょう)で行われました。
こちらはDJIというメーカーのMG-1という機種。初めて見た実物の農業用散布ドローンは、想像より大きく感じました。
本体は、腕を折りたたんだ状態でコンパクトに持ち運びができます。
腕を広げるとこんな感じです。動力は充電式のバッテリーで、冬場だと飛行時間はおよそ15分程度です。専用のリモートコントローラーを使っての操作、初フライトにドキドキわくわく!
田上先生がお手本を見せてくださった後、一人ずつ実際に操作をしました。
コントローラーの操作と農業用散布ドローンの動き、初めての操作に緊張します。「車の運転と同じで、どんどん操作してとにかく練習しながら慣れていきましょう」と田上先生。
前後左右、右回転、左回転、上下の移動など、両方のレバーを操作して動かすので、感覚をつかむまでひたすら練習です。
前進あるのみ!常に挑戦!
こちらは受講者の森浩三(もり・こうぞう)さんです。
森さんは、西彼町でアスパラやお米の栽培をしながら、耕作放棄地の有効活用や農業後継者の育成に取り組んでいます。これらの活動に役立つ技術を身につけようということで、今回農業用散布ドローンのオペレーター教習を受講されました。
「前進あるのみ!いくつになっても挑戦することは大事です」と笑顔で話す森さんは、とても前向きに楽しみながら練習に励んでおられました!
冷たい風が吹き、雪がちらつく日もありましたが、2日目、3日目と経つうちに自然と仲間意識が芽生え、みなさん協力しあいながら教習を楽しんでいましたよ!この笑顔から伝わってきますね!
筆記試験と実技試験
筆記試験は、基礎的な内容と自動航行についての2種類。
すべて選択肢問題でしたが、学科試験合格は70点以上が必要ということで、試験直前には復習時間が設けられ、集中して取り組みました。
実技試験では、離陸前の周辺安全点検、離陸、決められたコースの航行(制限時間内に航行)、着陸の流れで行います。
飛行高度、速度、操作のていねいさ、安全確認など、先生の厳しい眼差しを感じ緊張しながらも、一人一人頑張りました!
緊張の合格発表!
最終日、すべてのプログラムと試験を終えて合格発表の瞬間です。
田上先生から筆記試験の点数発表と、実技試験の評価コメントがあり、無事に全員合格!
一人一人に修了証が手渡され、認定証は後日手元に届きます。
ということで、今回西彼町に農業用散布ドローンのオペレーターが4名誕生しました!西海市初のドローンママも誕生です!
さいごに
農業用散布ドローンは、広い田畑に短時間で農薬の散布が効率的にできるのはもちろん、雑草の場所をピンポイントで抽出できるツールと合わせると、減農薬も可能になり、農薬費用の削減や作業負担の軽減にもつながります。
今後、スマート農業をうまく利用しながら、農業従事者の高齢化や人材不足への対応、作業負担の軽減、耕作放棄地の活用など、西海市の農業がより魅力的で持続可能なものになるといいですね!
西海市内では、すでに農業用散布ドローンが活躍していますが、オペレーターの数が足りないそうです。今年2月、また西彼町で教習が予定されているので興味がある方はぜひ!
*受講費用は教習内容により異なります。
教習日程や詳しい内容については、下記へお問い合わせください。
お問い合わせ
【グリーンテック株式会社スカイテック営業所】
住所:熊本市東区石原1-11-88
電話:096-284-1901
http://www.gtkyuy.co.jp/cn13/est-cpontrol.html