花々のいろどりが美しい春、スイーツがいっそう光り輝く季節になってきましたね!今日は、進級・進学祝いなどにかこつけて食べたくなる名品ケーキをご紹介します。
先日、長崎県内の優れた食品やお土産物の新商品が集まる「第50回長崎県特産品新作展」が開かれました。そこで、菓子・スイーツ部門で最優秀賞を取ったのは、西海町七釜にある「お菓子のいわした」が作る”うず潮ロール”という新作ケーキです!
黄色と赤の模様が印象的なロールケーキです。
「お菓子のいわした」店長の岩下武士さんに、うず潮ロールのこだわりと誕生秘話を聞いてきましたよ!
うず潮ロールは地元西海への想いがこもったケーキ!
うず潮ロールは、その名の通り西海橋のうず潮をモチーフにしたロールケーキです。
ベースのココアロールケーキは、ココアの苦みと香ばしさがあって、少し大人の味。
そのロールを囲むミカンのムースが爽やかに香ります。
西海市オリジナル品種の”原口早生”ミカンを使ったペースト、ミカンピール(外皮)を使用。ケーキの原料の卵と塩も西海市産のものを使っています。
そして、ロールケーキの長さは西海橋の1/1000の長さに設定されているのです。(西海橋全長:316メートル)
そしてパッケージにもケーキにも使われている黄色は、「お菓子のいわした」のテーマカラー。明るくて家庭的な優しさを感じる色です。
赤いのはフランボワーズジャム。この模様は、うず潮の荒い波を表現しているとのこと。
うず潮ロールはこのように地元・西海市にこだわったケーキで、その細部までのこだわりが評価されての最優秀賞受賞でした。
店長の岩下さん、どうやってこのケーキができたのですか?
うず潮ロールの誕生秘話
――最初にうず潮ロールを思いついたのはいつですか?
「創業から4代続いてきた『お菓子のいわした』が昨年100周年記念を迎えまして。その100周年記念商品を作ろうと考えたんです。ずっとこの地でやってきたので、地元への恩返しをテーマに作りたいと思いました。西海市といえば西海橋、西海橋といえばうず潮、と。そのタイミングで農業振興協会から原口ミカンを使って何かできないか?と言われたご縁があり、ミカンペーストを使用してケーキを作ることにしました。」
――ロールケーキにムースにと、複雑かつ絶妙に層が重ねられていますね。構想から完成までには時間がかかりましたか?
「いや、すぐできました。うず潮ロールは、お店で商品のお菓子を作りながら構想して、作り上げました。僕は毎日お菓子作りのことを考えていて、さらに常に先のことを考えているんです。次はどんなケーキにするかとか、店頭の装飾のイメージとか。」
いろいろな縁が合わさってできた一本
――お店のディスプレイも季節感がありますね。
「はい、装飾は季節ごととか常に変えています。来てくださるお客さんが飽きないよう、常に新しい発想を大事にしています。」
――どんなことからそのインスピレーションを得ているのですか?
「例えばですが、歌から発想を得たりしています。厨房で歌を流していて、その歌詞やストーリーを思い浮かべたりしています。ケーキのことは、お菓子ばかり見ていてもだめなんです。実は、いわしたのお菓子はそのひとつひとつにストーリーが込められています。そのストーリーが大事。ストーリーはお菓子一つ一つ、全部違うのです。お客さんに手に取っていただいて、ストーリーをイメージしてもらえたら、と思います。」
(お菓子だけに歌詞からインスピレーションを得ることもあるのですね。)
――うず潮ロールに込められたストーリーはどんなものですか?
「うず潮ロールは、西海への感謝の気持ちを込めたものです。この地で長年やってきて、様々な人とのつながりがあってずっとお店を続けることができています。そしてたまたまですが、特産品新作展の受賞式の日は創業者である曾祖父の命日でもありました。これは何かの縁だと感じています。」
うず潮ロールのおいしいポイント
うず潮ロールは、冷凍した状態で売られています。店頭で買ってから1時間ほど、解凍してからお召し上がりくださいとのことでした。
冷凍にすることで持ち運び可能時間の延長ができ、より広範囲のお客さんに届けることができるようになったそうです。また保存期間も長くなり、作り貯めができるのでお菓子を作る店員さんの働き方改革にもつながったそうです。店員さんの素敵な笑顔も、「お菓子のいわした」の素敵な要素の一つですよね。
そしてうず潮ロールを食べるときに合わせる飲み物は何がおすすめかと聞いたところ、
「やっぱりコーヒーですね、苦みのあるものが良いかと思います。」
とのこと。しかし意外なことに
「コーヒーが苦手な人は、アップルジュースもいいかな、酸味と合うと思います。」
皆さん、ぜひお試しを!
西海への想いがつまった、いわしたの「うず潮ロール」。
筆者も実際に食べてみましたが、チョコレートケーキ好きも納得のココア感とミカン果実の予想以上の爽やかさがマッチして、とてもおいしかったです。
地のものを使い、長崎らしさのあふれるお菓子として西海市民としても注目ですね!
店主こだわりの黄色のパッケージも、きっとこれからの定番となることでしょう。