かつては「炭鉱のまち」として栄えていたものの、

炭鉱の閉山とともに、人も街も活気を失ってしまった西海市大島町

 

「大島はもうダメだ

周りの人から口々に出る、元気のない言葉にたった1人立ち上がった女性がいます。

「環境美化を考える会」代表の田口昭子さんです。

そんな田口さんのこれまでの活動をご紹介します。

  

ごみ拾いから花の植栽、農園づくりへ

  

きっかけは、自身が経験した大病。

命の危険もあった病気を無事克服し、

「救われた命で、何らかの形でまわりに恩返ししたい」という思いが芽生えたそうです。

 

そこで田口さんが、まずひとりで始めたのが

大島町内の空き缶などのごみ拾いでした。

 

↑昨年秋に行われた「環境美化を考える会」と大島住民のみなさんによる

「サンセットロード」清掃活動。

 

 

 

仕事を始める前の毎朝早く、大島町のいろんな場所でごみ拾いを続けた田口さん。

活動する姿を見て、今までは面識がなかった人たちが

1人また1人メンバーに加わっていきました

 

 

「私は手伝う加勢するという言葉は嫌いなんです。どこか他人事のような気がして。

この活動をしてもらうなら、主体的に参加してほしい。

人にやらされているのでなく、自分がやりたいことをするから楽しさがあると思うんです。」

と田口さん。

 

 

そんな田口さんの考えに賛同して参加しているメンバーのみなさん。

活動後の帰り道でも、

積極的に道路脇の雑草を引き抜いて帰る姿がとても印象的でした。

 

 

 

今年で活動を始めてなんと34年目

20代から最高年齢は84歳まで

自ら進んで参加するメンバーは広がりに広がり今や116に。

 

 

活動の幅もだんだんと広がり

ごみ拾いだけでなく、道路脇の除草や花の植栽

除草後の草木や生ゴミから作った堆肥を利用した農園づくりなど多岐にわたっています。

 

↑廃校になった校庭を開墾して農園に。

大島周辺の除草作業で取り除いた草木を、堆肥化して野菜づくりへと循環しています。

まさにエコ!!

 

 

その活動は全国的にも認められ、昨年6月には

「緑化推進運動功労者 内閣総理大臣表彰」

(内閣府主催)を受賞しました。

 

 ↑田口さんと一緒に活動する「環境美化を考える会」のみなさん

 

 

子どもたちと一緒に道路美化活動・農園食育体験

毎年夏には大島町・崎戸町の各地で

両町に住む小・中・高校生、園児、地域住民

600名が参加して清掃・植栽活動が行われています。

昨年は、馬込桟橋近くの道路脇に「ガザニア」という花の茎をさし芽して植栽しました。黄色い花を咲かせます。

 

↑植栽前。石ころだらけの自転車道路脇。

 

↑植栽後かわいらしい花が咲くのが楽しみ

 

 

また、平成16年から行われている食育活動では

西海市内に限らず佐世保市を含めた9校と連携し、

「野菜の土づくりから食べるまで」体験できる場を子どもたちに提供しています。

 

 

↑堆肥を使って育った田口さんたちの野菜は、おいしいことはもちろん元気いっぱい!西海市内の直売所でも販売されています。

 

 

田口さんが1人で始めた活動は、今や大島町から西海市を超えて

市外の人や子どもたちをも含めた動きへと育っていきました。

緑や花で元気付けられた大島町は、ほかの地域にも大きな刺激を与えています。

 

 

「活動後にメンバーといろいろな話をしながらお茶を飲むのが1番の活力源!」

と話す田口さん。

 

 

大島町を訪れる人々を「花と緑で彩ったきれいな道」でおもてなしするため

田口さんをはじめ住民のみなさんは、今日もイキイキと美化活動に励んでいます

 

「環境美化を考える会」

8572427   西海市大島町1617 TEL:0959-34-2364