海に面し、季節ごとの新鮮な魚介類に恵まれた素晴らしい環境の西海市。

アラカブ、伊勢えび、ブリ、アジ、わかめにウニ……そしてトラフグ養殖はなんと全国一位!

思わず叫んじゃう海の幸の数々。こんにちは、食べるの大好きベーヤンです。

 

そんな海の幸を生かした『水産教室』という体験指導を14年にわたり、地元の漁師さんをはじめ、長崎県と西海市が協力して行っているそうです。子どもたちに漁業や海産物にもっと親しんでもらい、漁師さんの仕事や料理、西海市の海や命についてなど、たくさんのことが学べるいい機会です。

 

今回は学校だけでなく、家庭でも実践できるようにと、地域の親子で体験できる初の『水産教室』が大島町太田尾公民館で開催されました。

主催は西海大崎漁業協同組合と太田尾育成会。そして、長崎県長崎振興局と西海市水産課がサポートして実現しました。

地元の小学2年生~中学2年生と保護者の22名が集まりました。

今日の魚は西海市のブラド『光ブリ』、漁師さんが夜釣りであげた天然の生き生きした『真アジ』、そして崎戸の天然『伊勢えび』です。

聞くだけでテンションあがります。

指導してくださるのは『漁業士会長の山下さん』『藻を守る会会長の岩永さん』『黒潮会会長の川口さん』の3人のベテラン漁師さん。

 

子どもたちは、みんな魚をさばくのは初めてで、さらにたくさんの人がいるのではしゃいでいます。

お母さんの中にも初めての方がいて、「家で魚をさばかないので、うちの子はあまり魚を食べません。今日の教室をいい機会にしたい」とのこと。

子どもたちは、「魚きらーい」「臭いし、あんまり触りたくない」と反応はチョット消極的。

資料や材料など、この企画を助けてくれた、県央水産業普及指導センターの最上さんにお話をうかがうと、
「学校以外では、初めての試みで段取りなど大変ですが、ケガをしないことと、食卓で今日のことを話して水産に興味を持って欲しい」とおっしゃっていました。

 

 

まずは伊勢えびのさばき方を実演。ピチピチとはねる生きたえびにチョット緊張感のある参加者たち。

山下さんが尻尾の付け根から背ワタを抜き取ると、会場から「ホーッ」と声が漏れ、説明しながらみるみるうちに解体されていきました。

今度はお父さんたちが挑戦です。

 

子どもたちの熱い視線の中、大きな伊勢えびを力強くさばいていきます。

お父さんのこんな姿かっこいいですね!

 

次は、重さ4㎏を超える光ブリです。

どんな重さかも体験!

岩永さんが見事な速さで三枚におろしました。これは後で伊勢えびとお刺身盛り合わせにしていただきます。

 

そしていよいよ参加者全員がアジのさばき方に挑戦です。

みんな前のめりで、食い入るように漁師さんの手元を見つめます。

先ずは硬い『せごし』を取って、『うろこ』『頭』『内蔵』こちらも丁寧な説明付きで綺麗にさばかれていきます。三枚に下ろしたら一本一本小骨も抜き取ります。

 

今、教えてもらった通りやればできる…はず……。こちらは手なれています。

各テーブルにも指導に回ってきてくれるので、初めてでも安心です。

 

始めは恐る恐るでしたが、だんだん夢中になって魚にいどみます。

「こうだった?」「そうそう!」確認し合ってるのがいいですねー!

サウスポーのお父さんも初挑戦です。

手慣れたお母さんは、子どもたちを助けます。

地元開催ならではの温かさがあちこちで見られました。

 

 

指導している山下さんは、「学校での水産教室では平日にするため、こうした保護者の手助けが無いので、親御さんたちがいると助かる」「また、帰ってから話題にしてもらえることが大事です」と目を細めていらっしゃいました。

血や匂いなど、繊細に感じてしまったのかな?お母さんも心配……。

安心してください。いつの間にかちゃんと楽しんでくれていました。

 

さばいた魚は、全て使い切るのも大事です。

 

伊勢えびの殻は市役所の山口さんが味噌汁に、アジの骨は丸ごと素揚げて骨せんべいに、みんなでさばいたアジはカラフルチーズ焼きに調理しました。

みんなで協力して楽しみながら作りました。

 

お世話になった漁師さんや、海の幸に感謝の「いただきま~す!」

 

「魚きらーい」なんて言っていましたが、「美味し~い!」「チーズ焼きおかわり~!」と楽しみながら平らげていました。

 

太田尾育成部長の藤井さやかさんは、「親子で参加して魚にふれ、家庭でもお手伝いをしたり、今日のことが話題になったりすると嬉しいです」「今回、いくつか反省点がわかったので次回へと続けて行けるようにしたい」「協力して頂いた漁師さん、行政の方々、地域の方々に感謝します」とおっしゃっていました。

参加した保護者のみなさんは「すっごく楽しみました!ずっと教えて欲しかったので嬉しいです」

「まださばく自信がないですが、頑張りたい」

「家では全く料理しないので、いい体験でした」と、それぞれ楽しまれていたようです。

最後に指導してくださった漁師さんは「肉もいいですが、西海市の自然に育まれた魚は体にも優しいので、ぜひ食べていただきたい」

「こういう機会で、子どもたちが漁師さんや水産物に興味を持ってもらって、水産業にたずさわってもらえたらありがたいです」とおっしゃっていました。

 

西海市で初の地域開催された『水産教室』。

場所の制限はありますが、できる地域にどんどん広がればいいですね。

太田尾公民館で、また忘れられない貴重な体験が増えました。