こんにちはベーヤンです。
みなさんは、自分の母校の卒業生にどんな人がいるかご存知ですか?
西海市にも各分野に有名な方がいらっしゃいます。歴史資料にでる人、スポーツ選手、小説家、政治家…そして芸術家。
その芸術家岡本泰彰氏が、母校「西彼中学校50周年記念」で後輩たちに向けて講演会をしました。この日のためだけに設置された作品を見学した学生たちは、その幻想的で繊細な作風や仕掛けに大興奮!
ステージではインタビュアーに『はしもとゆうきさん』が抜擢され、軽快なトークとワークショップがおこなわれました。
学校からオファーがあって、与えられた時間をどうしょうかとアレコレ考えていた岡本氏。子どもたちに「ホンモノにふれる機会をつくりたい」という思いを常に持つ今回のテーマは「自分の“好き”を信じて未来を描く」。
母校の後輩たちに送る記念講演会の始まりです。
「好き」を見つけるとは⁈
長崎ケーブルメディア制作の紹介映像の後、ステージで実際に作品を観ながらトークがすすみました。
西彼中学時代は、絵には興味がなかったこと、幼い頃はバイオパークに良くいっていたことなど、中学生の岡本少年の話は現代の中学生にも身近なこととして感じてもらえたと思いました。
西海市出身の青年が20歳の時、英語もままならないままイギリス・ロンドンに渡り、スペイン・バルセロナ、カナダ・モントリオール、そしてアメリカ・ニューヨークへと世界で活動してきた話は、中学生にとって見えない将来の自分への夢と大きな希望になることでしょう。
中学生時代の岡本氏は、まだ「好き」なことは見つかっていなかったそうですが、『経験と情報で自分がつくられると思うので、自分の場合は20代では経験値をふやすために、世界の名画と言われるものを観て回れるようお金を貯め、観に行った』という具体的な方法を語ってくれた。
ただ「好きなもの」を見つけよう!探そう!だけでなく、わかりやすい目的と方法が聞けたのは、これから新しいことにむかう子どもたちによいヒントや何か感じてもらえたのではないかと思う。
「できる範囲でいいやってみたいと思ったらやってみる。浅く広くていいからやってみる。行きたいと思ったら行ってみる。試してみるそして食べてみる…そう!なんでもいい」それが経験になり好きなものに出会うことにつながる
さっそく経験ということで、ワークショップで「コラージュ作品」制作を代表4名の生徒たちと一緒に楽しみました。観光パンフレットから気になる写真を切って貼っていきます。岡本氏も一緒に実演。
コラージュは絵が苦手でも構造を楽しめるメリットがあり、時間もかからず作品が作れることです。今回は観光パンフレットを使っての制作ですが、同じ材料でも同じ作品にならない面白さもあります。
岡本氏はドイツ・ベルリンを回っていた時に、大きな画材を持って歩くのが大変なのでこのコラージュ作品をつくったそうです。
生徒の作品をひとりひとりアドバイス。芸術家から直接こうしてみてもらえる機会は本当に貴重なものですね。
その時制作していた岡本氏の作品の完成はこちら。
「オガタマの教会」
なんとばりぐっどが初披露です!オガタマノキに教会や橋にイクラ…。
生と死も感じられる岡本ワールドな作品です。
作品を作る時のアドバイスとしては、「こうじゃないといけない」というものはなく、逆の視線で考える。空白側からもを考える。描きたいそのものの気持ちになる。違う視点でみることは、普段の生活でも癖になっていくと思います」とのこと。
はしもとさんからも生徒たちにむけて「自分の感性で自由に作っていいし、どんな作品もいい!アートは、観る視点を変える、違う角度から見たものが感じられるのが良さだと思うので感じてもらえたら」と続けた。
日常生活でも、ちょっと目線を変えるてみると見え方がちがったものがみつかることがある。そういうことを感じてほしい
最後に「中学生では自分も好きな事ややりたいことはみつかっていなかったので、いろんな経験を積んで欲しい。数年後数十年後に、ここで講演をする人がでるといいな」と後輩たちに向けて言葉を送りました。
後輩たちからは「作品に感動しました。岡本さんの気になることは見に行ったり、調べたり行動に移すのはすごいと思いました。私たちも、気になることは調べ、何事にも興味をもちたくさんの経験をつんで『好き』を見つけます」と大きな拍手と共に、先輩岡本氏に送りました。
はしもとさんからは「打ち合わせでうかがったった岡本さんのご自宅の気持ちよさ!太陽や風を感じながら、自然の中でアートについて語り合う時間の大切さと、作家自身による作品の解説を聞きながら鑑賞できたことで作品を観る目が変わったこと。そして、子どもたちには、周囲の目や常識、誰かの正解にとらわれずに自分の「いい」を信じてほしい。そうすれば世界は広がるので可能性を拡げてほしい」とご感想をいただきました。
岡本泰彰氏は2月22日長崎県美術館で個展を開きます。
大島文化ホールで製作中だっだ『西の海で魚群と再会』の完成品や国内未発表の作品は必見です。
大きな花飾りをつけ、ちょっと照れている岡本氏「胸元の花飾りが終始気になっていましたが、トーク中ははしもとさんまかせでリラックスしてました。ワークショップは希望者が多かったので、できれば全員にそんな機会を作りたかったし、もっと納得いくまで作った作品も見たかったです。左利き用の道具も準備すればよかったなぁと反省中…」とのご感想。
人と違った視線で作品を作り続ける「芸術家岡本泰彰」。芸術という文化を通じて、子どもたちへ彼にしか描けない作品で「ホンモノにふれる」という経験を与え続けている。