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【ウエストのおんな~赤とんぼと秋の黄昏刻~第7話】<とんきゃんきゃんVSさんまんだー>

『馬肥ゆる、住子も肥ゆる秋の空』

サラリと川柳を詠んでみたくなる今日この頃。

私はアラフィフパート主婦の海近住子(うみちかすみこ)、西彼在住である。

 

独身の時、旦那との会話で

 

「うっわ けっこう独特ですね~っ」

 

と思った西彼弁。

 

「ここホントに同じ県内???」

と思うくらいのイントネーション。

 

今となっては、私も流暢な西彼弁で会話が出来るようになったし、イントネーションも申し分ないくらいのクオリティーをモノにしている自信はある。

いっぱしの西彼人だ。

 

ところで「方言」とか「なまり」とか「~弁」とか、地域で色々あると思うが私は

 

『西彼弁』VS『長崎弁』

 

で、旦那とずっと争っている言葉がある。

 

まぁ西彼弁が上手くなったとは言え、やっぱり私の中には100%長崎人の血が流れている訳で、どうしても譲れないのだ!

 

【まずは簡単に西彼弁の紹介(ほんの一部)】

いってきます ⇒ いたてくっけん

うそ ⇒ ふろばち

無精者 ⇒ ひゅーなし

ほおっておく ⇒ ほたる、ほたっとく

すごく疲れる ⇒ きゃーなゆ

茶碗 ⇒ ごきわん

さみしい ⇒ とぜんなか

 

なんとな~く 聞いたことがあるような単語もあると思うがそこはやはり大きなくくりで長崎弁だからであろう。

それから、野菜のかぼちゃを『ぼーぶら』と言ったり、キャベツを『かんらん』、カリフラワーは『はなかんらん』と呼んだり。

 

若者でそのような言葉を使う者はほとんどいないが、ある年齢以上の西彼民が使う言葉である。

 

これはそれぞれの別名として辞書にも載っている名前だが、私は嫁に行くまで長崎で『ぼーぶら』とは聞いたことが無かった。

 

しかし現に西彼ではそのように呼ぶのだ。

これは西彼が独自の文化をいにしえの時代より築いてきたからではないだろうか?

 

まさにカルチャーショーーック!!

 

ううむ! 奥が深いぞ西彼弁!!

 

さて、長すぎる前置きはその辺りにして、旦那と20年越えで争っているその「ワード」を発表しよう!

 

ドラムロ~ル!

『どぅるるるるるるるっだんっ!』

 

それは『かたぐるま』である。

 

西彼弁と長崎弁では言い方が全く違うのだ。

西彼では『かたぐるま』の事を

 

『さんまんだー』という。

 

オーマイガー!「何?その『さんまんだー』て・・・沖縄のドーナツんごたる名前たいっ!パクりかっ!」と旦那にチャチャを入れる。

 

対して私が生まれてこの方47年使う長崎弁の『かたぐるま』は

 

『とんきゃんきゃん』!

「何?そん負け犬の鳴いたごたる名前は!」負けじと旦那もチャチャを入れる。

 

事あるごとにこの『さんまんだー』と『とんきゃんきゃん』戦争が勃発!

 

言っては何だが旦那以外で『さんまんだー』と言ってる人を見たことがない!

 

そして『とんきゃんきゃん』も実家の父が使っていた言葉だが、これまた悲しい事に父以外の人が『とんきゃんきゃん』と言っているのを聞いたことがないのだ。

 

『さんまんだー』はともかく 47年間信じて疑わなかったあの『とんきゃんきゃん』がはたして『長崎弁』なのかどうか・・・。

 

実は長崎弁と言いながら、実家周辺だけの呼び名だったかもしれないとか、父の思いつきと閃きで作り出された造語だったのではないかとかマイナスの妄想が広がる。

そんなある日、そう『長崎くんち』が終わってから、くんちのダイジェスト版的なテレビ放送があっていたそうな。

 

アナウンサーと解説者の会話の中で ちょうど八坂町の『川船』だったか、飾り船頭を船から降ろすとき、かたぐるまをして船頭さんを降ろしたらしい。

それを見た解説者が

 

「ほ~ とんきゃんきゃんして降ろすとですね~」

 

と言ったそうな。

すかさず横にいたアナウンサーが

 

「かたぐるまですね」

 

と、当たり前のように瞬殺で訂正したらしい。(笑)

その決定的瞬間を目撃した旦那は、これは本物だと確信したに違いない。

私は心の中でにガッツポーズを何回も何回も繰り返しやった。

 

 

父以外、実家周辺以外の人の口から『とんきゃんきゃん』が出るなんて。

なんと感動的!!

感動しちゃったから ウエストで『ぼーぶら』買って帰ろう!

 

今日は『ぼーぶら』の煮しめばつくりましょうで。

※改めて旦那に確認すると『とんきゃんきゃん』ではなく、『ずっきゃんきゃん』ということが判明。「は?」と思ったが、調べてみると『とんきゃんきゃん』や『とっきゃんきゃん』と言う地域もあるということです。

次回は第八話「虫のお話」

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