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【ウエストのおんな(第15話)】~西彼在住アラフィフ主婦とその日常/『ゾワドキワク感』と遠距離恋愛~(最終回)

『ゾワドキワク感』と遠距離恋愛

 

私は海近住子(うみちかすみこ)西海アラフィフパート主婦である。

 

むかしむかしのその昔、独身時代の私は人混みが大好きだった。

パトリエ21(懐かしっ)のセール、浜んまちのアーケード街、とにかく人が集うところならばどこでも!

人で溢れかえっているような、その賑やかな雰囲気が好きで好きでたまらない!。

心が『ゾワゾワドキドキワクワク』してしょうがない!

人混みに揉まれた日には『ゾワドキワク感』で、もうアドレナリンが

 

ジャンジャンバリバリ ジャンジャンバリバリ大放出!

 

ワクワクが止まらない!ワクワクが止まらない!ワクワクが止まらないー!

 

あの頃、鈴木奈々がいたら絶対に3回叫んでいただろう。

 

なので、どこかに出かけてちょっと混んでたりすると、旦那が

 

「人ん多かぁ・・・人酔いすっばい 」の

『人酔い』とは何ぞや?

 

私にとって、長い間それは謎であった。

「君はあの人並みを見て興奮しないのかい? 人混みの中にダイブしたいと思わないのかい? 心の中で『ワクワクが止まらない!』と鈴木奈々が3回叫ばないのかい?」

 

思わないらしい。

 

またまたまたいやいやいや そんなことないだろう!なんでわからないかな~

この心のゾワゾワ感、ドキドキ感、ワクワク感!

 

しかし西彼に嫁いでからは、あの頃のように毎日人の中に埋もれることができなくなり、その『ゾワドキワク感』と知らず知らずのうちに少し距離ができてしまったように思う。

それからアラフィフと呼ばれる年齢になり、ふと私は気付いた。

あれ?いつからだろう なんだか大好きな人混みがちょっと苦手になってはしないか?

あの頃のように『ワクワクが止まらない!』を3回どころか1回も言えなくなっているではないのか?

 

『ゾワドキワク感』と私は『遠距離恋愛』の末に、自然消滅してしまったカップルのようだ。

 

あんなに好きだった『ゾワドキワク感』。

あの頃毎日『ゾワドキワク感』を感じる事ができたのに、それが出来なくなった距離と時間が、私と『ゾワドキワク感』を引き離してしまったのだ。

 

時津の日並にショッピングスポットが出来たときも、

先月、長与のイオンタウンがオープンした時も

 

「まだまだ行かれん! 人の多かけん!」

 

私が大好きな『ゾワドキワク感』に放ったひとことだった。

 

人混みが大好きだと言っていた私が、人の群れに飛び込みたいと言っていたこの私が、あろうことに

 

『人の多かけん、行かん』とか言うた?

 

きっと私は『ゾワドキワク感』をすごく傷つけてしまったに違いない。

残酷なひとことだっただろう。

あれほど一途に思いを募らせていたにも関わらず、長い年月の中で私は心変わりをしてしまった。

 

でもごめんなさい。もう、あの頃には戻れないの。

 

これから「人酔いする~」と言ってるどこかの旦那(あ!うちか!)と仲良く

 

「人酔いする~」

 

と、連呼しながら人混みを避けて生きて行くのだろう。

まぁ、お年頃になってきて、何もないところでつまづくし、ちょっとの段差でも足上がってないし、距離感掴めず壁に肩ぶつけるし、老眼やし。

 

神様が「お前もだんだん落ち着けよ」と警告してくれたのだろう。

『ゾワドキワク感』を感じることはなくなっても

スーパーウエストがいてくれる。それで十分。

 

 

そんな私を今日もスーパーウエストは優しく受け入れてくれる。(「ウエストのおんな〜西彼在住アラフィフ主婦とその日常〜」おしまい)

 

(みちより「ウエストのおんな」を読んでいただいた皆様へお礼)

今回を持ちまして【ウエストのおんな~西彼在住アラフィフ主婦とその日常~】は最終回となります。短い間ではありましたがご愛読いただき、ありがとうございました。

地元のアットホーム感あふれるスーパーウエスト、アラフィフパートの住子を通して、色々な”西彼あるある”をみなさんと楽しく共有できたのであれば、とても嬉しく思います。

 

そしてそして、来月からはまた別連載が始まりますのでこちらもお楽しみに!!

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