single.php

【ウエストのおんな(第6話)】~西彼在住アラフィフ主婦とその日常/顔面天ぷらテッカテカギッシュ~

顔面天ぷらテッカテカギッシュ

 

私は海近住子(うみちかすみこ)西海アラフィフパート主婦である。

 

今日もいい天気で、太陽の光がまぶしい。そしてまぁまぁに暑い。まだ夏じゃないのに。

これからまだまだ暑くなり、太陽の光が強くなると思うと、想像しただけで少し心が折れた。

外での仕事が多い私は、普通の人より何倍も、太陽からの日差しを受けている。そうなると肌の中でメラニンなるヤツが徐々に蓄積し、やがてシミという厄介なものを作り出してしまう、もちろん乾燥するのでうるおいまで奪われシワとなる。

シミとシワ。これはアラフィフにとって、絶対に阻止しなければならない厄介な敵なのだ。

シミ1つ、シワ1本で、顔の印象は大きく変わってしまう。

 

危ない! アラフィフ!

自分の顔の中に新入りのシミを見つけてしまった日は、枕を濡らして眠ることになる。

1度出来たシミを消すことは非常に困難である。

 

シミを野放しにしてはいけない!

 

私はSPF50₊PA++++の日焼け止めクリームをまとめて5本、ネットで大人買いした。

2時間おきの日焼け止め塗りなおしはマストであるため、それくらいはペローンと使ってしまう。

 

夏場になると汗で日焼け止めも流れてしまうので、2時間おきが1時間おきに変わる。

それに加え、日焼け止めというものはケチケチ塗っても意味がないらしいので、毎日毎回たっぷり『これでもか!』ぐらい塗る。

そのため夏場の日焼け止めクリームの使用量は冬場より格段にあがるのだ。

(※イメージです)

 

話しは変わるが、日焼け止めクリームというものは、なぜあんなにもテカるのだろうか?

おかげで私の顔は2時間おき、夏場にいたっては1時間おきに顔面で天ぷらをほおばったようなテッカテカのあぶらギッシュフェイスとなる。

 

 

毎日の日課である仕事上がりのウエストも『顔面天ぷらテッカテカギッシュ』のまま出陣となってしまうので、たまにバッタリ会った知り合いやフレンドリーな店員さんから

 

「わ~!お肌つやつやしてて、うらやましい~」

(※イメージです)

とか言われたりすることがある。

 

わかっている。十分にわかっているのだ。

 

それは完全なる『顔面天ぷらテッカテカギッシュ』の仕業だと。

(※イメージです)

年々砂漠化が進み、カッスカスに乾いている私の顔がつやつやの訳がないのである。

「これは日焼け止めクリームで、つやつやに見えるだけなんだ」と、どんなに訴えても聞き入れてもらえない。

 

数回の押し問答の末

『もしかしたらほんとにつやってるのではないか?』とほんのり期待を持ち、ウエスト店内のアイスコーナーと冷食コーナーの間にある柱についている鏡でコッソリ確認をしてみる。

 

ぴっかぴかに、テカっていた。

 

 

間違いなく日焼け止めクリームで『顔面天ぷらテッカテカギッシュフェイス』になっているだけである。

 

私は我にかえった。

 

ほんの少しでも、『篠原涼子のCMで見た『つや玉』が自分にもあるのではないか』と思ってしまった自分が恥ずかしい。

ほんの少しでも『自分はつやっているのではないか?』と思ってしまった自分が恥ずかしい。

 

このつや、いやテカりは日焼け止めクリームによる『顔面天ぷらテッカテカギッシュ』の作用にすぎないのに。

 

 

よかった。

 

私の勘違いが世の中に知れ渡る前に気付いて本当によかった。

 

もし気付かずに『顔面天ぷらテッカテカギッシュフェイス』『つや玉のあるパート主婦』だと勘違いし、ドヤ顔でウエスト内をモデルウォークしていたら・・・。

 

は、恥ずかしい。

 

私は、謙虚な『顔面天ぷらテッカテカギッシュ』を目指そうと深く深く心に誓う。

 

 

そんな私を今日もスーパーウエストは優しく受け入れてくれる。

次回「ウエストのおんな第7話」はこちらから

footer.php